アマドコロです 2013.05.31 写真はユリ科の多年草アマドコロです。4月に紹介したホウチャクソウとよく似ています。ただしホウチャクソウの花では6枚の花被片が筒状に見えてもくっついていないのに、アマドコロでは合着しています。ホウチャクソウは茎が枝分かれする点も違います。 次はナガミヒナゲシです。一時猛烈な勢いで殖えてどうなることかと思いましたが。最近その勢いが少し衰えたように思います。 次はスミレ科のタチツボスミレとツボスミレです。たくさんあるスミレの種類のなかで、タチツボスミレは一番多く見られるもので、三貫清水の緑地の雑木林の中にもあちこち群生しています。ツボスミレは北池の循環水路脇や南の田んぼのあぜ道など湿り気の多いところで見られます。上尾側の草地には群生しているところがあります。 「植物学の父」といわれ近代植物分類学の分野で世界的権威とされている牧野富太郎博士(1862〜1957)は、タチツボスミレの標準和名について、「昔から『ツボスミレ』という正しい名前があり使われていたのだから、タチツボスミレなどという余計な名前をやめて、正当なツボスミレに戻すべきだ。そして今のツボスミレという誤った名前を付けられているものは、中国では「如意草」と名付けられているから『ニョイスミレ』に変更することを提案する」と主張していました。その主な根拠としては、昔から言うツボスミレは薄紫の花が咲くはずであって、今のツボスミレとされている白い花ではないということにあります。ここに牧野博士の著書「牧野植物随筆」(鎌倉書房)からその部分を引用すると次のようです。(ただし私が見ているのは同名の講談社学術文庫版です)
以上のような植物学の大御所の主張にもかかわらず「タチツボスミレ」「ツボスミレ」の標準和名は変更されていません。 これが世界共通の学名ということになると、間違って他の種類の和名ヤブラン「yaburan」を与えられてしまった「ノシラン」も、あきらかに間違いであっても変えることはほぼ絶対にできないということのようです。 若本孝雄 |