サンカクイです

2012.11.30

写真はカヤツリグサ科の多年草サンカクイ(三角藺)です。別名サギノシリサシ。三貫清水の緑地にはあまり見られませんが、上尾側の湿地にはたくさんあって群生しています。三角形の茎を持ち、茎の頂きに花穂がつきます。花穂の基部に1本の包葉が直立しますが、茎と同じ形をしているので、まるで茎の途中から花穂が出ているように見えます。写真右のイラストは、長田武正著「野草図鑑2.すすきの巻」保育社刊からのコピーに若本が加筆させてもらったものです。

サンカクイ合成.jpg

 

次はケアリタソウです。アカザ科に属し、メキシコ原産の1年生帰化植物です。アカザ科といえば、以前はアカザやシロザなどよく見かけた気がするのですが、最近あまり見られないようです。このケアリタソウ(毛有田草)、ときどき見かけるようで、図鑑には強い悪臭があると書いてあります。私にはそれほど感じられませんが、私の嗅覚が鈍いのでしょうか。

ケアリタソウ縮小.jpg

 

次はウリ科のつる性多年草カラスウリです。すこし葉がくたびれてきていますが、花が少なくなった今ごろ、雑木林の縁に赤い実が目立ちます。写真の左上は7月ごろ咲いた花です。ちょうどヘイケボタルの観察をする頃、ホタルの出る湿地のまわりにたくさん咲きます。花は日没後しばらくして開き日の出前には閉じてしまうため、普通はなかなか見られないのですが、ちょうどホタルを観察するそばで咲くので、いやでも目につきます。ところが、ここのカラスウリはみな雄株のようで、実がちっとも見られません。雑木林の縁にあるのが花の少ない雌株で、赤い実が今ごろ目立つということらしいのです。カラスウリは、ウリ科にはめずらしい雌雄異株なのです。

カラスウリ合成縮小.jpg

 

次はミツバウツギ科の落葉小高木ゴンズイです。ナマズの仲間でゴンズイという、大きくても体長20センチの海水魚がいて、背びれと胸びれに毒があり刺されると激痛が走ります。役立たずの魚とされています。この木は材も柔らかく、役に立たないとして、魚のゴンズイの名を貰ったという説があります。秋に赤い果皮が裂けると黒くて光沢のある種子が顔を出し、けっこうきれいです。

ゴンズイ合成縮小.jpg

若本孝雄