“サンショは小粒でもピリリと辛い”

2012.08.31

写真はクマヤナギです。クロウメモドキ科で落葉のつる性木本です。葉の側脈がきれいに並んでいるのが特徴的です。つるは大変丈夫で雪国ではこれでかんじきを作るといいます。若い葉は食べられるし、果実酒は低血圧や冷え症に薬効があるそうです。

クマヤナギ合成縮小.jpg

 

 

 “サンショは小粒でもピリリと辛い”。サンショウはミカン科の落葉低木で、写真左は実生で芽生えたばかりの幼苗、右は若い果実です。葉はタケノコ料理に付き物で家庭に1本は欲しい木です。果実は佃煮に、また粉ザンショウにしてウナギのかば焼きの薬味にします。もともと「椒」だったのが、胡の国から胡椒が、南の国から蕃椒(トウガラシ)が入ったので、在来のこれが山椒になったといいます。葉は他のミカン科と同様アゲハチョウの幼虫の食樹で、うっかりすると丸坊主になるまで食べられてしまいます。

サンショウ合成縮小.jpg

 

 

次はイネ科の1年草エノコログサ(写真左)とアキノエノコログサ(写真右)です。ネコジャラシと言った方が通りがよいかも知れませんが、花穂を子犬のしっぽに見立てた名前です。英語ではキツネのしっぽに見立ててFox Tailというそうです。花期が少し遅いのがアキノエノコログサですが、夏の盛りには開花しこちらのほうが一般的かも知れません。この仲間にはキンエノコロ、ムササキエノコロなど似たものがたくさんあって、個体の変化なのか、変種なのか、交雑種なのか、あるいは別種なのかよく分からないものが多いのです。

エノコロ縮小.jpg

 

 

次はイラクサ科の多年草ヤブマオです。茎の上部に雌花の穂をつけ、下部に雄花の穂をつけるというのですが、これには雄花らしいものは見られません。雄花のない株も多く、なくても無性繁殖するので、支障はないそうです。

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若本孝雄