アオハダの花です

2012.05.31

写真はもちのき科の落葉高木アオハダです。樹皮を爪ではがすと緑色の鮮やかな内皮が見えるので「青膚」の名がつきました。雌雄異株で、左は雄株、枝先に多数の小さい花を束生します。右は雌株、花は少ないけれど8月末には写真円内(109月撮影)のような赤いきれいな果実が熟します。果実はあまりおいしくないのか鳥たちはあまり食べないようで、秋の終わりまで長期間楽しめます。

アオハダ縮小.jpg

 

次はばら科落葉低木コゴメウツギです。花はこれもごく小さく、あまり目立たないので気付かないことが多いのですが、よく見るとなかなかきれいです。5弁花ですが、花弁よりやや小さい萼片も同じ白色をしているので小型の花弁のように見えます。

コゴメウツギ縮小.jpg

 

これはむらさき科の2年草キウリグサです。近くの駐車場にある株ですがこんなに大きな株になると目立たない草とは言えません。園芸草花ワスルナグサをそっくり小さくしたような花です。図鑑などではキュウリグサ、ワスレナグサと書くのが一般的ですが、私は感覚的にも文法からもキウリグサ、ワスルナグサと書きたいのです。数年前に亡くなりましたが柳宗民さんを思い出します。NHK「趣味の園芸」でいろいろ教わりましたが、晩年の著書「柳宗民の雑草ノオト」ではキウリグサ、ワスルナグサと書かれていたからです。一度もお目にかかったことはありませんが、懐かしいかたです。

キウリグサ10縮小.jpg

 

次はハーブとしてよく知られている、しそ科の多年草チェリーセージです。近くの公園に植えられているものですが、低木だと思い込んだので最初分かりませんでした。掲示板で聞いたら「チェリーセージでは」というので、そうだそうだということに。このくらいに育つと、落葉低木というのが正解でしょう。

チェリーセージ縮小.jpg

 

次はばら科の落葉低木ノイバラで、今あちこちで花盛りです。径2センチほどの5弁花です。バラの園芸品種の台木として使われるほか、果実を利尿剤などの薬用にするそうです。

ノイバラ縮小.jpg

 

次は同じばら科の落葉低木ナワシロイチゴです。枝がつる状にのびてはいまわります。花弁は紅紫色ですが、満開になっても萼だけ開いて花弁は閉じたままです。苗代を作る6月ごろ果実が赤く実って食べられるから「苗代イチゴ」なのですが、今は田植えが5月には終わってしまうので、季節感がすっかり変わってしまいました。

ナワシロイチゴ縮小.jpg

若本孝雄