鴨川は菜の花盛りです

2012.04.30

最近鴨川の河川敷と土手に「ナノハナ」がずいぶん殖えました。今年すこし気をつけて観察しました。河川敷に大群落を作っているのはセイヨウアブラナです。一方土手に群生しているのはほとんどセイヨウカラシナですが少数のセイヨウアブラナが混在しています。セイヨウアブラナのほうが花が少し大きく、まとまって咲き、セイヨウカラシナはわずかに小さくて、バラバラに咲く感じです。セイヨウアブラナの葉は粉白がかってツルンとした感じで茎を抱き、セイヨウカラシナの葉はギザギザ(鋸歯)があってシワがかり茎を抱きません。どちらももともとユーラシア大陸原産のあぶらな科の野菜ですから、春先の若葉とつぼみはお浸しなどでおいしく食べられます。

ナノハナ.jpg

 

次はきんぽうげ科の多年草ヒメウズです。ウズ(烏頭)とは中国名でトリカブトのことで、小さいトリカブトという意味です。根が似ているそうですが、漢方でも薬用に用いることがあるといいます。ごく小さい草で、花も小さく下向きに咲くのでうまく花が撮れませんでした。

ヒメウズ10.jpg

 

次はしそ科の多年草タツナミソウです。花が片側を向いて咲く様子を泡立って寄せてくる波に見立てた名前だそうですが、そう見えるでしょうか。

タツナミソウ3縮小.JPG

 

次はばら科落葉低木に属するヤマブキの仲間です。左はヤマブキ属ヤマブキです。中央はヤマブキ属ヤエヤマブキです。太田 道灌の故事で名高い中務卿兼明親王の和歌にいう「実の(蓑)ひとつだに無きぞ哀しき」はヤエヤマブキのことで、ひと重のヤマブキには5個集まった実がつきます。右はシロヤマブキ属シロヤマブキです。花弁が白くヤマブキの5弁にたいし4弁で、実も4個集まってつきます。ヤマブキには花弁が5枚で白いシロバナヤマブキという変種もあるといいますが、私はまだ見たことがありません。

ヤマブキ3種.jpg

若本孝雄