オオニシキソウとコニシキソウ

2010.08.31

写真はとうだいぐさ科の1年草オオニシキソウ(左)とコニシキソウ(右)です。どちらも北アメリカ原産の帰化植物で、オオニシキソウは全体が大型で茎が斜上するのに対して、コニシキソウは全体小型で茎がべったりと地面を這い葉の表面の暗紫色の斑紋が目立ちます。この仲間で昔からあるニシキソウはあまり見られなくなっています。ニシキの名は茎の赤と葉の緑を「二色」と呼んだとも「錦」と呼んだともいわれます。

おおにしきそう-2-縮小.jpg

 

次はジュズダマです。いね科の多年草で、果実を包んでいる堅い包葉を糸でつないで数珠にしたのでジュズダマです。熱帯アジア原産でかなり古くに渡来した帰化植物です。この堅いツボ型のものを、私は種子だとばかり思っていました。それがなんと包葉だというのですから驚きでした。

ジュズダマ - コピー-縮小.jpg

 

みそはぎ科はサルスベリなどの木本もありますが草の仲間が多く、代表する多年草ミソハギ(写真左)はミソギハギ(禊萩)からきた名前で、盆の祭りに花束を仏前に供える風習がありボンバナの名で親しまれている花です。写真(中と右)はこの仲間でホソバヒメミソハギと呼ばれる熱帯アメリカ原産の1年草です。上尾側の原っぱの湿地にたくさん生えているほか、田んぼの畦などにも見られます。

ほそばひめみそはぎ-2-縮小.jpg

 

次はきく科でヨーロッパ原産の多年草セイヨウノコギリソウです。葉が細かい羽状複葉で鋸の歯のように見えるところからノコギリソウの名になりました。葉に芳香がありハーブティーなどにもつかわれるそうで、ヤロウという名前を持っています。

セイヨウノコギリソウ-縮小.jpg

 

ニシキソウの仲間、ミソハギの仲間、ノコギリソウの仲間……こうしてみると、帰化種が日本在来の種を圧倒しているように見えますがどうなのでしょうか。

今年も8月21日には、ヒガンバナが三貫清水の碑のそばで咲き始めました。これも古い時代に中国から渡来した帰化植物だとする説がありますが、私は純粋の日本古来の植物に入れてやりたい気がします。

若本 孝雄