キイチゴ3種です

2010.04.15

写真は今花の咲いているばら科キイチゴ属の3種です。どの花もよく似ていますが葉が違います。クサイチゴ(写真左)は3〜5小葉からなる羽状複葉、ニガイチゴ(右上)は3浅裂する単葉、カジイチゴ(右下)は3〜7中裂する単葉です。カジイチゴの名は葉がカジノキに似るからといいます。6月にはクサイチゴとニガイチゴは赤色の、カジイチゴは黄色の実がなり、どれもおいしくて食べられます。


 

次はイヌシデとアカシデです。かばのき科の落葉高木でこの時期に黄褐色の雄花穂がたくさん垂れ下がりますが、アカシデの方がやや赤味がかっています。シデというのは春の花穂を神前に捧げる玉串やしめ縄などにつける白い布や紙で作った四手にたとえたといいますが、私には秋の果穂のほうが四手に似ているように見えます。シデの仲間は園芸界ではソロといいます。


 

きく科北アメリカ原産の多年草ハルジオンが咲き始めました。よく似ていて花期が少し遅い同じ北アメリカ原産のヒメジョオン(姫女苑)があって、それとの対比からハルジョオンと呼ぶのは間違いで、ハルジオン(春紫苑)です。


 

次は以前にも紹介しましたが、ゆり科の多年草アミガサユリです。中国原産で別名バイモ(貝母)といいます。花が下向きなので下からのぞかないと見えませんが内側に紫色の網目模様があります。地下に貝の形をした鱗茎があって、これを咳止め、痰切り、止血などの漢方薬とします。茶花として用いられることもあるそうです。


若本 孝雄