ミヤコワスレが咲いています

2008.06.15

写真はきく科の多年草ミヤコワスレです。ミヤマヨメナから育成された栽培品種とされていますが野生化しています。俗にノギクと呼ばれる薄紫の小菊のような花の仲間はふつう秋に咲きますが、これは春から初夏に咲きます。承久の乱(1221)に敗れて佐渡へ流された順徳上皇がこの花を見て、「今日からはこの花によって都のことを忘れることができる」と言ったということです。


 

次はユキノシタです。ゆきのした科の多年草です。5弁のうち、白い下2弁が足を踏ん張っているように見え、上の3弁はごく小さいけれど、なかなかきれいです。昔裏庭などによく植えられたのは、観賞用のほかに、霜焼けなどに有効な薬草でもあるし、葉はてんぷらにして食べてもおいしいからだったのでしょう。


 

次はもくせい科の落葉低木のイボタノキです。枝にイボタロウムシがつき、分泌する白色のイボタロウは家具のつや出しや戸の滑りを良くするために使われたりします。またこの木はライラックの接木繁殖の台木に使われます。近くの花の丘公苑では、ライラックの植え込みの手入れが悪いために、台木のイボタノキだけになっています。


 

6月前半に花の咲き始めた草は、ハキダメギク、ツユクサ、ヒメジョオン、コモチマンネングサ、ミツバ、タチアオイ、ノカンゾウ、キバナコスモス、ミゾカクシ、オニゲシ、カワラナデシコ、クサノオウ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、ムシトリナデシコ、オカトラノオ、ヤブジラミ、アゼナルコ、ヒゴクサ、エナシヒゴクサ、ノシランです。

 

樹ではネズミモチ、ウメモドキ、シモツケ、クマノミズキ、エビヅル、クリ、ムラサキシキブ、ゴンズイ、アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイが咲き始めました。

 

若本 孝雄