実りの秋です

2005.11.15

11月に入ったら花の見られる草がめっきり少なくなりました。

 

今回は「実りの秋」として果実を2つ紹介します。

 

写真はムラサキシキブです。果実は核果で直径3ミリほどです。美しい紫色の果実を「源氏物語」の作者紫式部にたとえたとされます。くまつづら科の落葉低木です。

 

よく似た木にコムラサキがあります。この方が実つきが良いとされるのですが、今年はどういうわけか実つきも色もぱっとしないので、ムラサキシキブを紹介しました。


 

 


次の写真はアメリカセンダングサです。きく科の北アメリカ原産の1年草で強害草となっています。果実はそう果(痩果)で鋭いとげが下向きに生えた2本ののぎがあり、動物の体や人間の衣服について遠くまで運ばれる仕組みになっています。

 

センダングサの名前は、葉の形が宮原小学校にある県指定の天然記念物の木、センダンに似ていることからきています。ただし「栴檀は双葉(ふたば)より芳(かんば)し」というときのセンダンはビャクシンのことで、全く別のものです。

 

いろいろ工夫を凝らして果実を動物の体にくっつけて運ばせる植物はこのほかイノコヅチやオオオナモミなどたくさんあります。このような果実を「ヒッツキムシ」と呼んでいます。

 


 

 


11月前半に花の見られた草は、セイヨウタンポポ、カタバミ、トキワハゼ、ムラサキツユクサ、ハキダメギク、ミチヤナギ、イヌタデ、ツユクサ、コニシキソウ、エノコログサ、コセンダングサ、ミズヒキ、オシロイバナ、シナガワハギ、オヒシバ、メヒシバ、コメヒシバ、キツネノマゴ、イノコヅチ、カナムグラ、チヂミザサ、チカラシバ、ヨモギ、イシミカワ、タマスダレ、シロザ、ノハラアザミ、アシ、ススキ、コブナグサ、ホソバヒメミソハギ、ウリクサ、オオバコ、セイタカアワダチソウ、ヤクシソウ、ホトトギス、フジバカマ、キチジョウソウ、ナギナタコウジュ、ツワブキ、コシロノセンダングサです。

 

樹木ではコウヤボウキ、キヅタ、サザンカ、シロダモの花が咲き始めました。

若本孝雄