ママコノシリヌグイ

 植物の名前には、「なぜ、こんな名前が付いたんだろう?」「もう少しましな名前はなかったんだろうか?」と思うものがよくあります。

 この草はママコノシリヌグイです。茎を手でさわると、びっしり生えた細いトゲが指に刺さります。結構痛いです。この草で「まま子(連れ子)のお尻をこすっていじめる」という意味の名前です。

 河原や荒れ地の湿った所に生えています。茎は長く伸び、トゲで他の植物などに寄りかかります。

 ママコノシリヌグイのほかにも、ハキダメギクやオオイヌノフグリなども、気の毒(?)な名前を付けられています。


ヘクソカズラ

 これも気の毒な名前の代表格です。屁(へ)と糞(くそ)の両方を名前に付けられています。

 釣り鐘状の花は結構美しいので、生け花などで飾ると、なかなか絵になります。サオトメカズラ(早乙女葛)のようなかわいい名前や、ヤイトバナ(花の中央の赤いところが灸の跡のように見える)という名前もあるので、ヘクソカズラではかわいそうだ、とよく言われます。

 しかし、匂いからくる印象がよほど強いらしく、地方ではカバネグサ(屍草)やウラミコロシなどと呼ぶ所もあるそうです。


クサギ

 クサギは漢字で臭木と書きます。葉をむしったり、枝を傷つけると、独特の匂いがするので付いた名前です。

 しかし、若葉はゆでてご飯に混ぜるとおいしく、花は美しく香りが良くて蝶などがたくさん集まります。

 花の赤い部分はがくです。白い花びらとのコントラストが目を引きます。秋には紅色のがくの中に藍(あい)色の実が付きます。


ヤマノイモ

 ヤマノイモの白い花が咲いていました。ジネンジョ、トロロイモともいいます。

 雌雄異株で、蔓(つる)状の茎は他の植物などにまといつきながら数メートル以上の長さに伸びます。


ガガイモ

 これはガガイモの花です。やや乾いた原野に生える蔓(つる)性の多年草で、長い地下茎を引いて繁殖します。

 秋になると、長さ10センチほどの鞘(さや)状の実を付けます。実の中には白い毛の付いた種(タンポポの種を何倍か大きくしたような種)が詰まっています。下の写真は去年の12月に撮影したものです。


エビヅル

 山野に生える落葉性の蔓(つる)植物で、ブドウの仲間です。実は黒く熟し、食べると甘酸っぱい味がします。花は黄緑色で目立ちません。


ノブドウ

 これも山野に生える落葉性の蔓(つる)植物です。名前は「ブドウ」ですが、実はまずくて、とても食べられません。鳥はよく食べるようです。