湧水保全地区 三貫清水緑地の自然 ア・ラ・カ・ル・ト
2007年3月14日


1.川島町白鳥飛来地の見学/さいたま自然学習スクール

 『さいたま自然学習スクール』は、「三貫清水の会」の会員の有志で作った学習グループで、5年前の2001年4月に組織化され、現在、会員は約20名。月2回、自然体験を通した学習活動を行い、理解を深めている。

 2月の定例の活動は、「鴨川を中心とした冬鳥の観察」の予定であったが、今年の鴨川にはカモ類をはじめ冬鳥の個体数が少ないので、見学場所をどこにしようかと検討していたところ、会員の赤木勇美氏が川島町の越辺川(おっぺがわ)に100羽以上のコハクチョウが来ているとの情報を得たので、この日(2007年2月25日)の観察会となったわけである。

 川島町の白鳥飛来地は奈良町から車で40分位の所にある。越辺川は南へ少し行ったところで入間川と合流し、南下して荒川と合流する川でである。

 土手の手前に町営の無料駐車場が用意され、屏には「川島町白鳥飛来地/川島町商工会・川島町」の看板が取り付けられており、町が自然保護に力を入れていることが容易に理解することができた。

 土手を下りて川原に近づいていくと、100羽以上のコハクチョウの群れだ。20名位の観察客がおり、カメラも5〜6台が川の中の白鳥に向けられている。



 その時、北の方から2羽の白鳥が首をまっすぐに伸ばし、優雅な姿で飛んできて、群れの近くに着水した。きっと熊谷市川本地区の白鳥飛来地へ行っていたのが、こちらへ移動してきたものと思われる。

 餌は午前10時と午後3時の1日に2回やるそうだ。奈良町を9時に出発し、9時40分に到着したので、10時の餌やりを見学することができた。係員2人が両手に餌の入ったポリバケツを2個持って土手から川原へ下りてくると、白鳥はゾロゾロと水から川原に上がってくる。係員は、それを諭すように、ゆっくりと水辺に戻し、浅瀬に向かって、柄杓でパラパラッと餌(小麦)を撒く。2〜3のグループに分かれて、水の中に頭を入れて熱心に食べている。餌のおこぼれを頂戴しようと、コガモやオナガガモが遠巻きに泳ぎながら、だんだんと白鳥の群れに近づいてきて、水の流れに乗ってくる餌を啄んでいる。



 このほかに、当日見られた鳥をあげる。オナガガモ、ハシビロガモ、コガモ、カルガモ、セグロセキレイ、カラス、スズメなど。

 近所に住んでいる人の話だと、近くの木にオオタカの営巣地があるとのことで、3羽のオオタカが青い空に大きな円を描いて飛んでいる姿が印象的であった。



2.わがボランティアグループのテーマソング/『三貫清水 四季の歌』

 「三貫清水の会」にはテーマソングがある。当ホームページの「当会の歩み」→「聞いてみませんか」に、歌詞と楽譜が載せてあるので、是非ご覧になって、歌ってみてください。アイコンをクリックすると音楽が流れます。作詞家の奈良原学は、本会会員のホタルの研究家・赤木勇美氏のペンネームです。作曲者は、さいたま市立舘岩少年自然の家(福島県南会津郡舘岩村)の所歌の作曲者である。

 このテーマソングは平成12年5月に出来上がったもので、我々は行事の後などに皆で歌って、自然に恵まれた郷土に生きていることを実感している。



3.那須甲子少年自然学生ボランティアリーダーの活動

 3泊4日の「学生ボランティアリーダー研修」を終了すると、その年度からいよいよボランティア活動が開始する。学生ボランティアは、事前に活動できる日を自然の家の事業課に連絡し、日程を調整して来所し、任務を遂行する。

 ボランティア活動は多岐にわたる。
@実地踏査時の登山の案内・補助A登山道や遊歩道の点検・整備B野外炊飯場・キャンプファイアー場の点検・整備Cキャンプセンターの点検・整備Dキャンプ場テントサイトの点検・整備E冬季(期)はスキー(ラングラウフ)用具の点検・修理F除雪の手伝いGイグルー・かまくら作りH雪中キャンプファイアー場作りetc.



4.主催事業「那須甲子に鍛える少年の集い」(9泊10日)

 学生ボランティアリーダーの活動のもう1つは、主催事業への参加である。圧巻なのは、7月下旬から実施される9泊10日の「那須甲子に鍛える少年の集い」にスタッフとして参加する。キャンプカウンセラーや食事関係、キャンプセンターのスタッフとして活動するのである。

 対象者は近隣の小学校4年生から中学2年生までの40名。これを男女混合の異年齢集団に分けて5つの班を構成。そして9泊10日の集団宿泊研修と自然体験を通して、個人や集団がどのように変革していくのかを追求していくのである。

 このキャンプは、筑波大学野外運動学研究室の長谷川純三氏の指導で実施した。長谷川氏はアメリカから「アウトドアエデュケーション(野外教育」を日本に取り入れた野外運動学の権威者である。教え子の1人に埼玉大学の野沢厳教授がいる。野沢氏は埼玉大学にはじめて野外運動学の研究室を開設した実力者である。

 有意義な9泊10日にするために、筑波大学の野外運動学研究室から大学院生を2人派遣してもらった。1人はキャンプディレクター、そしてもう1人はプログラムディレクターである。専門職員は主担当がキャンプ長になり、副担当が1名補助する体制をとった。そして、キャンプカウンセラーが5名、キャンプセンター付のスタッフが3名に看護士1名の計13名である。

 [9泊10日の主な日程]
本館(2泊)---那須ロッジ(2泊)---那須の自然エリア体験[砂防ダム渡り---沢歩き---野宿(1人用タープラントで1泊)]---赤面山=甲子縦走登山---キャンプ場(3泊/夕食コンテスト)---本館(キャンプファイアー/1泊)


 さて、長期にわたる自然体験を中心とした集団宿泊生活を通して自己変革が始まるのは、5泊6日あたりからであるとの調査研究がある。集団の力が働く中で、自分の役割や責任を果たし、自分を表現したり、我慢をしたりして、理屈抜きに本当の自分と向き合えるようになるまでには、相当の時間を要する。したがって、1泊2日、2泊3日では、やらないよりはやった方がよいという程度だ。理屈抜きの状態にまで自己が高められていないので、すぐに元に戻ってしまうのである。

 「意識」が変われば「行動」が変わる。行動が変われば「習慣」が変わる。習慣が変われば「人格」が変わる。人格が変われば「運命」が変わる、という望ましい方向に変容したいものである。



5.ラジオ深夜便/誕生日の花と短歌10首/鳥海昭子

@3月11日(日) キランソウ(シソ科) あなたを待っています
 人を待ち人に待たれる春の日の
 野のキランソウ深いむらさき

A3月12日(月) デージー[ヒナギク](キク科) 無邪気、幸福
 デージーは「ぼんぼこ花」と親しみき
 幼かりけり無邪気なりけり

B3月13日(火)ユキヤナギ(バラ科) 殊勝、可憐
 肩にふれユキヤナギの花散るものを
 やよいの空のやわらかさにあり

C3月14日(水)ムラサキハナナ[ショカツサイ](アブラナ科) 智恵の泉
 いちめんのムラサキハナナに埋まりて
 おとぎばなしをほろほろときく

D3月15日(木)ラッパズイセン(ヒガンバナ科) 尊敬
 みーんながこっちを向いてるね
 幼児(おさなご)が言うラッパズイセン

E3月16日(金)ハルリンドウ(リンドウ科) 高貴
 晴れる日を今日と待ちいしハルリンドウ
 自分を自分ではげまして咲く

F3月17日(土)クサボケ(バラ科) 一目ぼれ
 願わくば今日の一日のゆとりあれ
 朝の陽うけてクサボケ咲けり

G3月18日(日)イワウチワ(イワウメ科) 春の使者
 イワウチワ春の使者とて咲き出ずる
 愛しきいのちうちふるえるを

H3月19日(月)シダレザクラ(バラ科) 優美
 朝に匂い昼にたゆたい夕べには
 優しく佇(た)てりシダレザクラよ

I3月20日(火)スミレ(スミレ科) 誠実、真実の愛
 花の名をいく度となく問われます
 先生老いてスミレ花咲く



6.自然体/健康十訓/健康の秘訣、ここに有り

 健康志向が高まる現在、可能な限り意図的に生活したいものである。

@少肉多菜
 お肉ほどほど 野菜たっぷり 健康もりもり

A少塩多酢
 塩分摂りすぎは高血圧のもと 酢は健康のもと

B少糖多果
 甘いものは果物から 砂糖は肥満への直通切符

C少食多噛
 腹八分目でよく噛みゃ 幸せも噛みしめられる

D少衣多浴
 薄着で風呂好きの人は健康を身につけている人

E少言多行
 べらべら喋っている間に行動を開始せよ

F小欲多施
 自分の欲望のために走らず他人のために走れ

G少憂多眠
 くよくよしたって同じ とっとと寝てしまおう

H少車多歩
 自動車は確かに速い でも歩けば健康への近道

I少憤多笑
 怒ったときでもニコニコしていれば忘れてしまう



7.ルネサンス・バロック期の作曲家 長寿番付

 「バロックの森」を聴いて、作曲者について調べていて驚いた。今から300年以上も前の時代に、こんなに長生きしている作曲家が・・・・。

 1 フィッシャー(ドイツ)  1656−1746  90歳
 〃 オトテール(フランス) 1673−1763  90
 3 フランクール(フランス)1698−1787  89
 4 コレット(フランス)    1707−1795  88
 5 オケヘム(フランス)  1410−1497  87
 〃 シュッツ(ドイツ)    1585−1672  87
 7 ジェンキンズ(イギリス)1592−1678  86
 〃 リューベック(ドイツ)  1654−1740  86
 〃 テレマン(ドイツ)    1681−1767  86
10 ペープシュ(ドイツ)   1667−1752  85
〃  ルクレール(フランス)  1679−1764  85
12 カンプラ(フランス)   1660−1744  84
〃  ハッセ(ドイツ)      1699−1783  84
14 バード(イギリス)    1540−1623  83
〃  マッテゾン(ドイツ)   1681−1764  83
16 ニヴェール(フランス) 1632−1714  82
〃  ポルポラ(イタリア)   1686−1768  82
18 サックス(ドイツ)     1494−1576  81
〃  フックス(イタリア)    1660−1741  81
〃  ルベル(フランス)    1666−1747  81
〃  ラモー(フランス)    1683−1764  81
22 タリス(イギリス)    1505−1583  80
〃  デマレ(フランス)    1661−1741  80
24 ラインケン(ドイツ)   1643−1722  79
〃  アルビノーニ(イタリア)1671−1750  79
〃  ガルッピ(イタリア)   1706−1785  79
27 マルチェルロ(イタリア)1669−1747  78
〃  タルティーニ(イタリア)1692−1740  78
〃  ダカン(フランス)    1694−1772  78
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 ※ 大まかにいうと、音楽史上、ルネッサンス・バロック期は1450年−1750年の300年間とされており、ルネサンスは1450年−1600年、バロックは1600年−1750年に分けられている。



8.しんちゃん海へかえる/埼玉で保護

 埼玉県川越市の水田で昨年9月に保護され、千葉県鴨川市の水族館「鴨川シーワールド」でリハビリをしていたキタオットセイの「しんちゃん」(オス、推定2〜3歳)が8日、銚子沖へ放流された。捕獲当時は衰弱し、23キロほどだった体重も、今では倍。仲間の待つ海へ消えていった。

 キタオットセイはこの時期、北太平洋から南下する。同水族館は2月中旬に南下を確認、放流を決めた。この日、午後0時半に銚子の東沖合約17キロで放流した。船の近くを泳ぎ回り、ジャンプするなどして、しばらく離れようとしなかった。(2007.3.9朝日新聞朝刊)



9.幻の鳥オオハシヨシキリ、140年ぶり発見/バンコク近郊

 標本が1体しか知られておらず、存在すら疑われていた珍鳥オオハシヨシキリが、およそ140年ぶりにタイで見つかり、その後、英国で新たな標本も見つかった。英国の鳥類保護団体バードライフインターナショナルが7日発表し、「主要な生息地はどこか、絶滅の危機にあるかなどを、まず調べる必要がある」とコメントした。

 オオハシヨシキリはヨシキリの仲間で、1867年にインドで採集された1羽しか知られていなかった。そのため、最近はDNAが調べられるまで、標本はほかのヨシキリと同じ種類で、たまたま変わった外見をした個体なのでは、という見方もあった。

 ところが、昨年3月にタイの大学助教授らがバンコク近くで、長いくちばしと短い羽根を持ったヨシキリの仲間を捕らえた。DNAを検査したところ、オオハシヨシキリと特定できた。(2007.3.9朝日新聞夕刊)

島村道宏