冬の林はどうなってるの!?
--------『冬芽ハンドブック』の御案内
2021・01・06

 私たちは春夏秋冬の四季が巡りくる日本で生活している。

 この四季の変化によって、暑かったり寒かったりするので、私たちは着物を厚くしたり、薄くしたりして、体温の調節をします。

 植物は着たり脱いだりはできないので、成長するのに必要な養分をつくる葉にある気孔の開閉によって調整しています。

 然し、それができないくらいに寒い日が続くと、葉に蓄えた栄養を取り込み、不要になった葉を落とし、休眠状態に入って、暖かくなる日を待つのです。

 葉の無くなった枝には、様々なトンガリ帽子がついていますよ。これを冬芽と呼んでいます。冬は必ず春となる≠ニ言う如く、春に備えて寒さに耐える冬芽を作って、寒さに耐え忍ぶのですね。




 冬芽ハンドブックでは、冬芽を『命のカプセル』と呼んでいます。

 その様々な形や色は木の種類で違うので、戸外で観察するのが一番。そして、わかるためには、この『冬芽ハンドブック』や身近にある図書館で図鑑や解説書、またはガイドしてくれる人がいたら教えてもらうなど、いろいろ考えられます。

 ところで冬芽はなぜ『命のカプセル』なのでしょう?

 「休眠状態で冬を過ごし、春に再び活動を開始する。そのために、小さな冬芽の中に、葉や蕾みが丁寧に折り畳まれて入っている。春、冬芽から葉や花が展開する様子は、まさに命が躍動する感じがする。冬芽は厳しい冬を乗り切る『命のカプセル』なのだ」とあります。これは、春先に冬芽を切り開いて、ルーぺなどで大きくして見るとわかります。

 また、春先になると、桜の開花情報がよく聞かれます。私たちが予測するのであれば、蕾みの縦、横をノギスか目通しで記録をとって、蕾みの膨らみ具合を記録し、予測をします。日陰と日向の違いがあります。

 私たちが考える以上に、変化が大きいですよ。

 ぜひこの冬は、冬芽の観察にチャレンンジしてみては如何でしょう!




 書名 :冬芽ハンドブック
 出版社:文一総合出版
 著者 :広沢毅/解説 林将之/写真
 価格 :1320円

菊池 等