書籍案内
『 落ち葉の下の小さな生き物 ハンドブック
2020・09・17


  よく「土は生きている」と言われる。確かに土には驚くほど多様性に富む多くの生き物がくらしている。

  肉眼では見えない細菌からカビそしてセンチュウ・トビムシ・ダニなどの小型の土壌生物、そしてミミズやヤスデといった大型の土壌生物などさまざまであるが、それがために我々の生活が支えられているのも事実である。

 良く言われるのは、人の靴(片足)か踏んでいる地面には、どれだけの多様な生物がいるか。神宮の森での調査では約十万で、一番多いのが線虫、そしてダニ、ヒメミミズなどという結果がある。

 では、これらの多様性に富む生き物たちを養っている物はなんだろう・・?

 その一端を示しているのが、紹介したいと思っている標題の本です。

 この本の最初の書き出し

 「森や林には、毎年、落ち葉が降り積もります。また、木の枝や木の実も落ちます。さらには動物の糞や死がいもあります。これらがそのままに積もれば、森や林はたちまち、ごみの山になってしまいます。しかし、落ち葉の下には、これらすべてを片づけてくれる小さな生き物たちがたくさん暮らしています」「ダニ(ササラダニ)、ヤスデ、ワラジムシなどは、落ち葉を細かくかみ砕き、それらを微生物が分解します。また、微生物が分解したものをミミズなどが食べることもあります」「落ち葉の下は(中略)さまざまな小さな生き物たちの活気に満ちた世界なのです」。

 ハンドブックの著者「皆越ようせい」氏のいろいろな角度からの写真もさりながら、検索表そして全部で169種に及ぶ標記、この120ページ足らずの本に盛り沢山で有ります。

 私たちの間近には、皆様が守ってきた森があります。この森から沢山の命が巣立っています! それを少しでも感じ取れるように、これからも皆様と頑張って行きたいと思います




 書籍名:落ち葉の下の小さな生き物 ハンドブック
 著 者:皆越ようせい
     渡辺弘之監修
 出版社:文ー総合出版
 定 価:1600円+税

菊池 等