ナナフシ飼育
2022・08・17


 ♪ 2年前から三貫清水の雑木林で、ナナフシを観察しています。
 ♪ 今年、最初の1匹を確認したのは5月4日。その後、日を追って数は増え、6月中旬には1日に30匹以上を確認しました。雑木林を1時間ほど歩いて、目視しただけで30匹なので、かなりの数のナナフシが生息しているものと思われます。7月に入ると数は徐々に減り、8月上旬にはほとんど姿が見えなくなりました。

 ♪ 以上のことから、ナナフシは「春に孵化し、6月から7月に産卵して、8月には寿命を終える」というサイクルはほぼ確認できましたが、生態がよく分からないので、自宅で飼育してみることにしました。

 ♪ 産卵シーズンがそろそろ終わるかもしれない7月中旬、ナナフシの一種・ナナフシモドキ2匹を連れ帰りました。大きさ(頭〜尻)は10cmほど。おなかが膨らんでいるので、産卵が期待できそう。


 ♪ 飼育ケースはプラスチックの衣装ケース。大きさは80cm×40cm×30cmほど。
 ♪ ケースの下に新聞紙を敷き、餌となる木の葉を入れます。木はシデとアカメガシワ。いずれも、三貫清水の雑木林でナナフシモドキがよく食べている木の葉です。


 ♪ 直射日光が当たらない場所にケースを置き、霧吹きで木の葉に湿り気を与えます。ケースの中で暮らし始めた段階がこれ。


 ♪ 飼育を始めて最初に驚いたのは糞(ふん)の多さ。2、3日でこれくらいの糞が新聞紙の上に落ちます。これだけの量の糞をするわけですから、かなりの大食漢です。


 ♪ 木の葉を食べている様子を動画に撮りました。かなりの勢いでガツガツと木の葉を食べます。下記のリンクをクリックすると、別画面で動画が再生されます。
クリック→ ■ナナフシモドキの食事風景の動画■


 ♪ そして、糞と一緒に落ちていたのがこれ。ナナフシモドキの卵です。


 ♪ 卵をアップにするとこんな感じ。
 ♪ ナナフシの仲間の卵は、よく「植物の種のような形をしている」と言われます。
 ♪ 卵には丸い蓋(ふた)のようなものが付いています。孵化する時は、この蓋が開いて、幼虫が出てくるそうです。


 ♪ ナナフシモドキの卵が採取できたので、ヤスマツトビナナフシも飼育することにしました。
 ♪ これが、わが家で暮らし始めたヤスマツトビナナフシです。
 ♪ ケースも新たに用意しました。餌はシデの木の葉。


 ♪ 数日後には産卵しました。


 ♪ 卵をアップにするとこんな感じ。
 ♪ 手榴弾のような形をしているというか、プラモデルのパーツか何かのようにも見えます。
 ♪ これをいきなり見せられて、昆虫の卵だと気づく人はまずいないでしょう。いやはや面白いです。


 ♪ これらの卵を来春まで保管して、孵化したら、三貫清水の雑木林に戻す予定です。
 ♪ 孵化の様子を撮影・記録できたらいいのですが。

◇     ◇     ◇


 ♪ 今回、飼育を始めるにあたって、岡田正哉著「ナナフシのすべて」を参考にしました。ナナフシの生態や分類などについての書物は多くありません。図書館で借りられる本などを調べた中では、この本が一番参考になりました。
松井修一