♪ きょうから3月。暦の上では春到来とはいえ、まだしばらくは北風の吹く日が続きます。
♪ この寒風の中で、満開の花を咲かせているけれど、ほとんどの人は気づかない木があります。
♪ ハンノキです。
♪ 南池の前の湿地に生えているハンノキ。
♪ こちらは、北池を取り囲むように、水辺に生えているハンノキ。
♪ 写真を見て、「一体、どこに花が咲いているの?」と疑問に思うかもしれませんが、咲いています。
♪ 枝先にたくさん垂れ下がっている茶色いもの。これがハンノキの花です。
♪ 「ハンノキの それでも花の つもりかな」(小林一茶)という俳句があります。確かに、花らしくありません。
♪ 花をアップで見ると、こんな感じ。左側に垂れ下がっているのが雄花。右側にある、マッチ棒の頭のようなものが雌花です。雄花から花粉が飛び出し、風に乗って雌花に運ばれ受粉します。
♪ ハンノキは「風媒花」の一種です。花粉を風に運んでもらうのが風媒花で、虫に花粉を運んでもらうのが「虫媒花」。
♪ 虫媒花は虫をおびき寄せるために、華やかな色と姿をしています。花屋さんに並ぶのはほとんどが虫媒花です。それに対し、風媒花は虫をおびき寄せる必要がないので、地味〜な姿をしています。
♪ 地味な姿のほかに、もう一つ、風媒花の特徴は、花粉を大量に放出すること。風に運ばれる花粉は、まさに「風まかせ」。どこに飛んで行くか分かりません。そのため、確実に受粉させるために、大量に花粉を放出する必要があるのです。
♪ ハンノキがたくさん生えている地域では、この時期、ハンノキによる花粉症に悩む人もいます。
♪ 花粉症といえば、悩ましいのは何といってもスギ花粉。これからまさにピークを迎えますが、スギも風媒花です。大量に放出される花粉は遙か遠くまで飛散します。
♪ これは、きょう(3/1)、三貫清水で撮影したスギです。枝先に花らしきものが付いているような、付いていないような・・。花粉のシーズンはまだのようですが、間もなく満開になって、花粉を放出するんでしょうね。
♪ これも、きょう、三貫清水で撮影したヒノキです。やはり、風媒花です。スギより1カ月ほど遅れて花粉を飛散させます。
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