♪ 初夏、白い花を鈴なりに咲かせていたエゴノキは今、少し緑色がかった白い実を付けています。
♪ エゴノキは花も美しいけれど、実も美しい。「森のシャンデリア」と呼ばれるのも、うなずけます。
♪ さて、この時期、エゴノキの枝先に目をやると、何やら花のようで花ではない、バナナの房のような形をしたものが付いています。
♪ この形と大きさが猫の足先に似ているので、エゴノネコアシと呼ばれます。そう言われてみると、確かに猫の「肉球」に似ています。先っぽから、猫の爪がムニュッと出てきそうです。
♪ こんなにたくさん付いている木もあります。
♪ これは一体、何でしょう? 花のつぼみのようであり、実のようでもあり・・。
♪ その正体は、エゴノネコアシアブラムシという虫が作った「虫こぶ」(虫の住み家)です。
♪ エゴノネコアシアブラムシは名前の通り、エゴノキに寄生するアブラムシの一種で、体長は2、3ミリ。
♪ 春先、孵化した幼虫がエゴノキの新芽の汁を吸うと、新芽が変形してバナナのような形のエゴノネコアシになり、幼虫はその中で育ちます。
♪ 夏、エゴノネコアシから成虫が飛び立ちますが、秋になるとまたエゴノキに産卵。その卵が越冬して、春にまた孵化してエゴノネコアシを作る・・・・。エゴノキとエゴノネコアシアブラムシのそんな不思議な関係が、毎年繰り返されているというわけです。
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