エゴノキの枝先に「猫の肉球」
2020・07・15


 ♪  初夏、白い花を鈴なりに咲かせていたエゴノキは今、少し緑色がかった白い実を付けています。

 ♪ エゴノキは花も美しいけれど、実も美しい。「森のシャンデリア」と呼ばれるのも、うなずけます。


 ♪ さて、この時期、エゴノキの枝先に目をやると、何やら花のようで花ではない、バナナの房のような形をしたものが付いています。

 ♪ この形と大きさが猫の足先に似ているので、エゴノネコアシと呼ばれます。そう言われてみると、確かに猫の「肉球」に似ています。先っぽから、猫の爪がムニュッと出てきそうです。


 ♪ こんなにたくさん付いている木もあります。


 ♪ これは一体、何でしょう? 花のつぼみのようであり、実のようでもあり・・。

 ♪ その正体は、エゴノネコアシアブラムシという虫が作った「虫こぶ」(虫の住み家)です。


 ♪ エゴノネコアシアブラムシは名前の通り、エゴノキに寄生するアブラムシの一種で、体長は2、3ミリ。

 ♪ 春先、孵化した幼虫がエゴノキの新芽の汁を吸うと、新芽が変形してバナナのような形のエゴノネコアシになり、幼虫はその中で育ちます。

 ♪ 夏、エゴノネコアシから成虫が飛び立ちますが、秋になるとまたエゴノキに産卵。その卵が越冬して、春にまた孵化してエゴノネコアシを作る・・・・。エゴノキとエゴノネコアシアブラムシのそんな不思議な関係が、毎年繰り返されているというわけです。

松井修一