芸者(?)のように美しいアオバハゴロモ
2020・07・29


 ♪ 「ちょっとマニアック」と言われそうですが、色彩と名前が美しい虫の話題です。

 ♪ 梅雨本番から梅雨明けのこの時期。木々の枝に目をやると、あの枝にも、この枝にも、三角の形をした緑色の何かが付いています。

 ♪ 大きさ1cmほど。小さな葉っぱのような・・? 新芽のような・・?


 ♪ アップにすると、左端に小さな目、その下に足があります。アオバハゴロモという昆虫です。


 ♪ ミカンの木などの樹液を吸うので、害虫として嫌われたりしますが、一番の特徴はその色彩。

 ♪ 水彩絵の具で描いたような淡い緑色。そして、淡いピンクの輪廓。とても美しい昆虫です。


 ♪ 名前の「ハゴロモ」(羽衣)の由来は、天女伝説に出てくる美しい衣。「アオバ」(青羽)の青は、古語では緑を意味します。つまり、緑の羽衣を着た天女が空を飛ぶ姿に例えた名前です。

 ♪ さらに、アオバハゴロモの英語の学名は「Geisha distinctissima」。 Geisha は、そうです、あの「芸者」。欧米人が美しい日本女性に例えて、学名に Geisha と付けたようです。

 ♪ ところで、この虫の面白いところは幼虫の姿。

 ♪ 下の写真に幼虫が写っています。分かりますか?


 ♪ 赤丸が幼虫です。青三角のところに目があります。体から白い綿状の粉末を分泌し、それを全身にまとって身を隠します。


 ♪ 指でつつくと、飛び跳ねたり、トコトコ歩き出したりします。


 ♪ 三貫清水では10月ごろまで、アオバハゴロモの姿が見られます。木の枝に白い綿状のものが付いていたら、つついてみるのも面白いかも。

松井修一