トビナナフシがいました
2020・07・08


 ♪  三貫清水を歩くと、ついついナナフシを探してしまうのが、最近の習慣。

 ♪ コツをつかんだので、ほとんど毎日、何匹か見つけられるようになりました。


 ♪ そんなある日、「ん?・っ?」「これは、これまでとはちょっと違う・・!」というのを発見しました。

 ♪ ナナフシにしては、体型がちょっとずんぐり。太めです。

 ♪ しかし、前足2本をまっすぐ伸ばして静止している姿は、間違いなくナナフシそのもの。

 ♪ 写真を撮って、家に帰り、調べてみたら、トビナナフシの一種「ヤスマツトビナナフシ」でした。


 ♪ トビナナフシというのは、小さな翅(羽)があって飛ぶことができるナナフシのことで、この仲間にはニホントビナナフシ、ヤスマツトビナナフシ、シラキトビナナフシなどがいます。

 ♪ 後方から撮影すると、背中の翅がよく見えます。この個体は体長4cmほど。まだ子どものようですが、翅は小さくて、まるでキューピットの羽のようです。こんな小さな翅で飛べるとは、にわかには信じられない大きさです。


 ♪ 下の写真は、同じ木で別の日に見つけた「ヤスマツトビナナフシ」。この個体は体長5cmほどあって、大人のようです。それなりに大きい翅があります。


 ♪ ナナフシモドキやエダナナフシは、その細長い体で木の枝そっくりに擬態する名人ですが、「ヤスマツトビナナフシ」は葉っぱそっくりの色で擬態して身を隠す名人のようです。

 ♪ ナナフシモドキやエダナナフシの場合は、葉っぱの上にいると、結構見つかるのですが、「ヤスマツトビナナフシ」は葉っぱの色とまぎらわしいので、なかなか見つけられません。

 ♪ 下の写真は、シデの木の葉の上でじっとしている「ヤスマツトビナナフシ」です。色が葉っぱそっくりで、体長はせいぜい4cmか5cm。こうして拡大写真で見ると気づきますが、雑木林で目をこらして探しても、気づくのはとても難しいです。


 ♪ 「ヤスマツトビナナフシ」の特徴はそのほか、@目がクリッとしているA触覚が糸のように細い(エダナナフシより細い)----ことなどでしょうか。

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 ♪ 埼玉県のレッドデータブック(絶滅危惧生物リスト)で調べたところ、埼玉県で見つかっているナナフシは@ナナフシモドキAエダナナフシBニホントビナナフシCヤスマツトビナナフシDシラキトビナナフシEトゲナナフシ----の6種。

 ♪ ナナフシモドキは絶滅危惧種に指定されていませんが、エダナナフシは絶滅危惧U類(数が非常に少ない)、ヤスマツトビナナフシは準絶滅危惧2型(数は多くない)に指定されています。

松井修一