♪ 初夏、白い花を鈴なりに咲かせるエゴノキ。
♪ よく観察すると、くるくるっと巻いた葉っぱがぶら下がっています。
♪ あっちにも、こっちにも。
♪ これを、昔の手紙に例えて「落とし文」(おとしぶみ)といいます。
♪ 長い和紙に文字をしたため、くるくるっと巻いて、相手に送るあれですね。相手が通りそうな所に恋文を落としておいて拾わせる、といった意味もあるようです。
♪ くるくる巻いたこの葉っぱ。偶然にできたものか、それとも誰かの仕業か?
♪ 実は、エゴツルクビオトシブミという虫が作ったものです。
♪ エゴツルクビオトシブミは「エゴ」ノキなどの葉を食べる甲虫の一種で、体長は1cm弱。首が長いのを鶴に例えて「ツルクビ」という名前が付いています。
♪ さて、このエゴツルクビオトシブミは初夏に、葉っぱに切り目を入れ、それをせっせと巻いて、中に卵を1個産み付けます。孵化した幼虫はその葉っぱを食べながら成長します。
♪ つまり、くるくるっと巻いた葉っぱは、幼虫の「ゆりかご」だったというわけです。
♪ 知ってみると、「なるほど、面白い〜!」という話が、自然界にはたくさんあります。
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