アズマモグラ
2009・12・11

 ♪ 三貫清水の南端の広場で見つけました。「アズマモグラ」です。結構、大きいです。体長は15センチほどあります。

 ♪ 死んでいましたが、外傷らしきものは見当たりませんし、栄養状態も良さそうで、丸々と太って見えます。「なぜ死んだのだろう?」と不思議に思って、モグラのことを調べてみたら、意外と知らなかったことが、いろいろ分かりました。

 ♪ たとえば次の三つは一般的に、しごく当然のことであるかのように言われますが、いずれも間違いだそうです。
   @モグラは日に当たると死んでしまう
   Aモグラは土の中をホイホイと掘り進んでいく
   Bモグラは泳げない

 ♪ そこで今回は、聞き書きの知識の範囲内ですが、モグラの話を少々。



 ♪ まず、日本にいるモグラは7種類。名前から分かるとおり主に東日本にすむ「アズマモグラ」、主に西日本にすむ「コウベモグラ」、本州・四国・九州などに広くすむけれど『モグラらしくないモグラ』と言われる「ヒミズ」「ヒメヒミズ」などです。
 このうち「ヒミズ」と「ヒメヒミズ」は、あまり長いトンネルを掘らず、落ち葉の下などでも生活し、夜には地上を歩き回るそうです。

 ♪ アズマモグラがすむのは、平地の草原や、土壌の豊かな森林など。落ち葉が降り積もる三貫清水の雑木林の土壌は、柔らかくて適度な湿り気もあるので、格好のすみかなのでしょう。

 ♪ 下の写真でも分かるように、目は退化していて、ほとんど機能を果たしていません。明暗を感じる程度だそうです。その代わり、嗅覚が発達していています。口の周りには、すぐれた感覚毛である口ひげがあります。



 ♪ 地中で暮らしているため、「地上に出て太陽に当たると死んでしまう」と、よく言われますが、実際には昼間もしばしば地上に出てきて動き回るそうですし、水泳も上手なんだそうです。意外ですね。

 ♪ 食べるのは、土の中にいるミミズや昆虫など。冬眠中のカエルなんかも食べるようです。

 ♪ しかも、めっぽう大食漢で、12時間ほど何も食べないと、空腹で死んでしまうといいます。地上で死んでいるモグラの多くは、生存競争で地中から追い出され、空腹で餓死したモグラなんだそうです。

 ♪ 下の写真は左が前足、右が後ろ足です。前足は下ではなく横の方に伸びていて、がっしりした爪が付いています。いかにも、土の中を掘り進むのに適した形をしています。

 ♪ とはいえ、土の中にトンネルを掘るのは、実際には大変な重労働なので、モグラは毎日毎日せっせとトンネルを掘っているわけではないそうです。

 ♪ 漫画やアニメでは、モグラがいとも簡単そうにトンネルを掘りながら進んでいく場面が出てきますが、実際にはそんなにホイホイ、スイスイと掘り進むことはできません。



 ♪  それでは、どうしているかというと、モグラは主に先祖代々からのトンネルを受け継いで、そこで暮らしており、そんなに積極的に新しいトンネルを掘るわけではないそうです。

 ♪ 地上に近い所に新しいトンネルを掘った場合は、地上に土がモコモコ盛り上がる「モグラ塚」ができます。三貫清水の雑木林にはモグラ塚があちらこちらで見られます。

 ♪  下の写真はアズマモグラをひっくり返して撮影したものです。この角度から見ると、何だかネズミそっくりです。

 ♪  ただ、アズマモグラの尾っぽは短くて、長さ15ミリほど。後ろの方に伸びずに、おなかの方に伸びています。下の写真で、まぎらわしく(?)ちょこんと付いているのが尾っぽです。



松井修一