ドングリ虫の落とし物
2009・09・26

 ♪ コナラの木の下を歩いていたら、上から小枝が落ちてきました。ドングリが2個付いています。一見、何の変哲もない、ただの小枝です。あたりを見回すと、同じような小枝がたくさん落ちています。

 ♪ この小枝は、風が吹くか何かした拍子に落ちてきたのでしょうか? いいえ、偶然に落ちてきたのではありません。この小枝を落とした『犯人』が、実はちゃんといるのです・・・。



 ♪ 家に持ち帰って、写真を撮りました。よく見ると、ドングリに1カ所、小さな穴が空いています。分かりますか?



 ♪  写真を拡大してみましょう。矢印のところに、穴が空いています。この穴は、犯人が残した『動かぬ証拠』です。



 ♪ 穴のところにカッターナイフの刃を当てて、ドングリを切り開いてみました。矢印のところが、穴の部分です。何かありますねー。



 ♪ 写真を拡大すると・・・。ありました、ありました、犯人の卵です。ドングリに穴を空けて、中に卵を産み付けたわけです。


 ♪ というわけで、犯人の正体を明かしましょう。「ハイイロチョッキリ」という虫です。下の写真は私が撮った写真ではありません。「南大沢季節便り」というホームページから借用しました。このホームページには、虫たちの見事な写真がたくさん掲載されています。

 ♪ 象の鼻のように見えるのは、鼻ではなくて、口です。この口でドングリに細長い穴を空け、そこに卵を産み付けます。その後、口で枝を噛み切って、地上に落とします。





 ♪ 再び、わたしの写真に戻ります。この部分を噛み切って、小枝を地上に落としたわけですね。



 ♪ 地上に落ちたドングリはどうなるのか?

 ♪ ドングリの中で成長した幼虫は、やがてドングリから出て、土の中に入ってサナギになります。そして、成虫になると、木に登り、ドングリに産卵するのです。

松井修一