ハチミツ泥棒
2008・6・23

 ♪ 三貫清水ではニホンミツバチが営巣しています。巣を作るのは主にコナラの木の穴などです。

 ♪ コナラなどの広葉樹は古くなると、幹や枝の内部が腐って、中に穴 ( 「樹洞」 「うろ」 ) ができます。樹齢40〜50年を超えるコナラだと、この穴は結構大きな空間になり、ニホンミツバチやスズメバチなどが巣を作ります。一度、巣を作ると、その巣を何年も使い続けるようです。

 ♪ そのミツバチの巣を狙って、先日、三貫清水に「ハチミツ泥棒」が現れました。

 ♪ 2人組がチェーンソーを片手にやって来て、「ここにミツバチの巣がある」「人がさされると危険だ」「退治してほしいと頼まれた」などと言いながら、チェーンソーでコナラの木をどんどん切り始め、大きな穴を空けると、中にある巣をごっそり持ち去ったそうです。





 ♪ そこに居合わせた人が、その2人に「あなたたちは市の関係者か?」「そんな風にチェーンソーで切って、木は大丈夫か?」等々と聞いたそうですが、2人は「子どもたちがハチにさされたら大変だ」云々と言いながら、どんどん作業を進め、最後に「はちにちゅうい」という看板を立てて帰ったそうです。



 ♪ チェーンソーで手早く木に穴を空ける手際の良さといい、「はちにちゅうい」という看板を持ってくる用意周到さといい、かなり手慣れた手口です。これが山の中なら問題ないかもしれませんが、市所有の雑木林でこのようなことをするのは、明らかにハチミツ泥棒です。3年前にも、別のコナラの木がチェーンソーで無残に切られ、ハチの巣が持ち去られたことがありました。

 ♪ そもそも、三貫清水でこれまで、人がミツバチに襲われたことはありません。スズメバチは人を襲いますが、ミツバチはそんなことはしません。ミツバチの巣に顔を近づけても、それだけでは普通、さされることはありません。「人がさされると心配だ」「退治してほしいと頼まれた」というのは、ウソの口実です。



 ♪ 東北などでは、山の中でニホンミツバチの巣を取ってくることがよく行われているようです。インターネットで検索していたら、以下のような文章がありました。参考までに掲載します。

 『自宅のハチミツを採る一方で、山中の大木に営巣したミツバチからの採蜜も行われています。山でニホンミツバチの巣をみつけると、チェーンソーで木を切り、巣をすべて採る、というものです』(ニホンミツバチの文化誌 日本観光協会・宇野理恵子)

 『山の木のウロなどに自然に巣を作っている蜂からも採蜜が行われている。これは(養蜂愛好家の)約半数の人が経験していた。山でハチの入った木を見つけると、チェーンソーで木の側面を切り、中の巣を全て採る、という風に行われている。この自然営巣からの採蜜は、山菜取りやきのこ取りといったものと似た感覚で行われている』(東北地方におけるニホンミツバチの伝統的養蜂)

松井修一