カマキリは積雪予報士?
2006・10・27

 ♪ 晩秋の色が日ごとに濃くなってきました。虫たちにとっては、間近に迫った冬を越すための準備に忙しい季節。卵で冬を越す虫にとっては、今が産卵のピークでしょうか。



 ♪ 三貫清水を歩くと、あちこちで、産み付けられたばかりのカマキリの卵に出会います。下の写真のカマキリは、お腹がはち切れそうにふくらんでいます。産卵間近です。



 ♪ これはヤナギの木に産み付けられたハラビロカマキリの卵です。正確にいうと、これは卵ではなく、卵嚢(らんのう)という卵の固まりです。地上1.5メートルほどの枝に付いていました。



 ♪ カマキリの卵嚢は、種類によって、形も大きさも異なります。オオカマキリの卵嚢はもう少し大きくて、ベージュ色。チョウセンカマキリの卵嚢は、もう少し小さくて、細長い形をしています。

 ♪ ところで、雪の多い地方では、産み付けられたカマキリの卵を見ると、その冬の積雪量が分かる、という話を聞いたことがあります。

 ♪ カマキリには積雪量を予測する能力があり、雪に埋もれない高さに卵を産み付ける、つまり、積雪が多そうな時には高い枝に、積雪が少なそうな時は低い枝に卵を産む、というわけです。

 ♪ へー、そんなこともあるのか、面白そうな話だなーと、何となく思っていたら、つい先日、図書館でこんな本を見つけました。タイトルはすばり「カマキリは大雪を知っていた」です。



 ♪ この本の筆者は新潟県に住んでいる方で、カマキリの卵の高さで積雪量が分かるという話に興味を持ち、県内各地で長年、観察を続け、この研究でついに博士号を取得しました。世の中には、いろんな人がいるもんですねー。

 ♪ 本には、カマキリがどのようにして積雪量を予測するのか、などに関する研究が、詳細に記述されています。

 ♪ 下の写真はジョロウグモです。お腹が卵で大きくふくれあがっています。これも産卵間近です。



 ♪ ジョロウグモも木の枝や葉に楕円形の白い卵嚢を産み付けるそうですが、私はまだ見たことがありません。卵嚢が目立たないように、木の皮や枯れ葉を張り付けてカモフラージュするそうです。

松井修一