電柱に集まって越冬する昆虫


 ♪ 寒い冬、少しでも暖かいところで過ごしたいと思うのは、人間も昆虫も同じ。成虫のまま冬を越す昆虫は、冬でも比較的、暖かそうな場所を見つけ、そこに潜り込んで、越冬します。

 ♪ 陽当たりのいい場所、北風のあまり当たらない所、凍り付かない所、南向きの斜面・・・・などなどです。

 ♪ 冬が近づくと、越冬場所を探すテントウムシが集団で、コンクリートの電柱に集まってくる、という話を聞いたことがあります。

 ♪ 冬、樹木は太陽の光を受けても、そう簡単に暖かくなりませんが、コンクリートの電柱は太陽の熱をよく吸収するので、結構、暖かくなります。昆虫にとっては、いわば暖房付きのホテル(?)といったところなのでしょうか。

 ♪ 下の写真は三貫清水に立っている電柱です。斜面林の西南の角にあります。陽当たりが非常によい場所です。



 ♪ 電柱の根元には草が少し生え、周囲には石が転がっています。

 ♪ 根元のあたりを、ちょっとのぞいてみましょう。



 ♪ 電柱の根元の草をかき分けてみたら、いました、いました。「ナミテントウ」という名のテントウムシです。

 ♪ 何匹もいたのですが、草をかき分けているときに、手が触れてしまって、下にポロポロと落ち、写真に収まったのは2匹だけになってしまいました。



 ♪ 写真の2匹は色も模様も違いますが、どちらもナミテントウです。

 ♪ ナミテントウには、赤色のものと、黒色のものがいて、星の数も2つしかないものから、10以上あるものまで、さまざまです。同じ種類なのに姿が全然違うという、ちょっと変な(?)テントウムシです。

 ♪ 次に、電柱の根元の近くに転がっている石をめくったら、マルカメムシがいました。



 ♪ マルカメムシは夏場などに、しばしば大量発生するカメムシで、住宅にもよく飛んできます。干していた洗濯物や布団を取り込んだら、マルカメムシが付いていて、その悪臭に参ったという経験はありませんか?

 ♪ 上の写真では、手足を引っ込めて、丸まるっていますので、姿がちょっと分かりにくいですね。左にいるのは、右手前が顔で、足が少し見えます。といっても、やはり分かりにくいですね。

 ♪ 下のイラストは昆虫図鑑から借用しました。普段はこんな姿をしています。



松井修一