口が長ー い「 ゾウムシ」


 ♪ 三貫清水の南側にある広場は、初夏から秋にかけて、まさに一面の「草ぼうぼう」状態。ここを歩こうとすると、腰から胸ほどの高さに生い茂った草をかき分けかき分け前進しなければならないので、この季節、歩く人はあまりいません。

 ♪ しかし、そのおかげというべきか、ここではいろいろな虫やトカゲなどを観察することができます。

 ♪ わがもの顔に茂っているクズの葉や茎の上でゾウムシを見つけました。ゾウムシは長い口が象の鼻に似ているので、その名前が付いていますが、むしろアリクイに似ているといった方がいいかもしれません。

 ♪ 何種類も仲間がいますが、そのユニークな姿・形のため、最近、マニアの間で人気が上昇しているそうです。

 ♪ 下の写真は、パンダのような白黒模様を持つ「オジロアシナガゾウムシ」です。クズの茎の上を歩いているところです。尾(お尻)の方が白いので「オジロ」、長い足を持っているので「アシナガ」といいます。




 ♪ 体長は1センチほど。長い足でクズの茎を抱きかかえ、茎に穴をあけ、卵を産みつけます。幼虫は茎の中で成長します。



 ♪ ユニークな姿をしているので、ゾウムシを初めて見た人は、「さわっても大丈夫かな?」と心配になるかもしれませんが、ゾウムシは抵抗も何もしません。

 ♪ 人間がさわると、丸まってポロッと地上に落ち、姿をくらまします。無抵抗の平和主義者といったところでしょうか。

 ♪ 上から見ると、白黒の模様は鳥のフンのように見えます。外敵の目から逃れるためのカモフラージュだという解説もあります。


 ♪ クズの同じ葉の上に、別の種類のゾウムシがいました。「コフキゾウムシ」です。






 ♪ 体長は5ミリほど。口はそれほど長くありません。全身に緑がかった粉がふいているように見えるので、「コフキ」という名前が付いています。粉に見えるのは、実は鱗毛(りんもう)という毛だそうです。

 ♪ オスがメスの上に乗って交尾しているのをよく見かけます。交尾したまま、せっせと歩き回るので、下の写真は少しピンボケになってしまいました。




 ♪ コフキゾウムシも人の気配などを感じると、動きを止めて、下にポトリと落ちてしまいます。

松井修一