三貫清水の桜


 ♪ 何やかやと忙しく、3週間ぶりの書き込みになってしまいました。

 ♪ 遅かった今年の桜も、そろそろ終わりですね。

 ♪ 「 葉桜や心静かに書を開く 」 という俳句があります。桜が咲いている間は、気持ちが騒いでしまい、落ち着いて本を読んでいられない。桜が咲き終わったので、ようやく心静かに本を読むことができる、という意味です。日本人ならだれしもそんな感じではないでしょうか。

 ♪ 人それぞれ花の好き嫌いがあるものですが、桜の花が好きではないという人にお目にかかったことはありません。やはり、日本人の心をとらえる花の筆頭格は桜ですね。

 ♪ ところで、桜にもいろいろな種類がありますが、花見でおなじみのソメイヨシノは、江戸時代に江戸の園芸業者が売り出した「園芸品種」です。花が先に咲いて、その後に葉が出てくるので、花が散った後は冒頭の俳句のように「葉桜や〜」となります。

 ♪ それに対して、「野生種」の桜は花と葉が同時に出ます。三貫清水ではヤマザクラ、ウワミズザクラ、イヌザクラの3種類の野生種を見ることができます。

 ♪ 下の写真はヤマザクラです。花と葉が同時に出ています。




 ♪ 三貫清水に生えているヤマザクラは、背の高い木が多いので、見上げないと、なかなか気づかないかもしれません。

 ♪ 下の写真のヤマザクラは高さがざっと20メートルほどもあります。花は15メートルも20メートルも上で咲いています。
 知らない人にとっては、歩いていたら地上に桜の花びらが落ちていたので、「あれ、何だろう?」と見上げたら、ずっと上の方で桜が咲いていた。そんな感じでしょうか。




 ♪ 家具などで、桜の木を使ったものがありますが、あれはヤマザクラの木です。ヤマザクラからは、家具などに適した硬くて大きな材木が取れます。

 ♪ もう一つの野生種・ウワミズザクラは、ブラシや房のような形をした花を咲かせます。形を説明するのは難しいので、下の写真を見てもらった方が早いでしょう。




 ♪ ウワミズザクラの花をアップにすると、こんな形をしています。「普段見慣れている桜とかなり違うなー」と思う人が多いでしょう。
 雄しべが花の外まで長く伸びていますが、一つ一つの花をよく見ると、確かに桜です。




 ♪ もう一つの野生種・イヌザクラはこんな花を咲かせます。



 ♪ ヤマザクラの花はほぼ散りましたが、ウワミズザクラとイヌザクラの花はまだ見ることができます。機会があれば、ぜひどうぞ。

松井修一