忙しさナンバーワン  「コゲラ」


 ♪ 三貫清水の林で、「ギィーッ」「ギィーッ」という鳥らしき声が聞こえたら、耳を澄ましてみてください。「コツ、コツ、コツ、コツ……」という音がすれば、すぐ近くにキツツキがいます。

 ♪ 三貫清水でほぼ毎日見ることができるキツツキはコゲラ。運が良ければ、アカゲラやアオゲラにも出会えます。

 ♪ 下の写真はコゲラです。「コツ、コツ、コツ、コツ」と音がしたので探したら、ほんの数メートル先にいました。一生懸命に木の枝をつついているためでしょうか、人間が近くにいても無関心というか、逃げないので、じっくり観察できる鳥です。




 ♪ コゲラは日本にいるキツツキの中で一番小型の種類で、体長約15センチ。スズメとほぼ同じくらいの大きさ。黒褐色と白(薄茶色?)のまだら模様をしています。

 ♪ 足で上手に枝をつかみ、コツコツコツコツと、せわしなく枝をつついて虫を食べます。
 枝を下から上の方に移動しながら、コツコツコツコツ。隣の枝に移って、コツコツコツコツ。さらに、木から木へ渡って、コツコツコツコツ……。

 ♪ 「しばしも休まず鎚(つち)打つ響き」といえば、『村のかじや』ですが、まさにそんな感じ。まー、忙しそうに動き回ります。三貫清水にいる鳥の中で「忙しさナンバーワン!」といったところでしょうか。





 ♪ くちばしは硬くてノミの様にとがり、木の幹や枝に穴を開けるのに適しています。
 また、舌はカメレオンのように長く伸び、その先端にはカギの様な突起が付いています。この舌を穴の中や樹皮のすき間などに上手に差し込んで、中にいる虫を引っ張り出して食べます。

 ♪ キツツキがあちこちに穴をあけたら、木が枯れてしまう心配はないのか? ----- その心配はないそうです。

 ♪ キツツキのお目当ては虫。つまり、「虫に食われた木や枝」をつついたり、「虫のいそうな枝の皮」をはいだりするわけで、「健康な木や枝」をつつくことは、ほとんどありません。

 ♪ しかも、「木に巣くう虫」を食べてくれるわけですから、木にとってはむしろ益鳥なのだそうです。





 ♪ ところで、あんなに一日中せわしなく木をつつき続けて、脳しんとうを起こさないのか? ----- その心配もないそうです。

 ♪ キツツキの仲間は、他の鳥と比べて、くちばしや骨格がとても頑丈(がんじょう)にできている上、つついたときの衝撃を体全体でやわらげる構造になっているそうです。

 ♪ キツツキを手に乗せたことのある人の話によると、同じくらいの大きさの他の鳥より重くて、がっしりしているそうです。さすがに丈夫な体をしているのですね。

 ♪ ところで、下の写真はコゲラの背中です。黒褐色に白の横線が入った、ちょっとおしゃれな模様が、コゲラのトレードマークです。




松井修一