ツグミと焼き鳥


 ♪ 三貫清水でたくさん見ることができる冬鳥のひとつはツグミです。
 地上に降りて、ピョンピョンはねながらエサを探すので、身近に見る機会もたくさんあります。

 ♪ ツグミはムクドリと同じくらいの大きさで、羽はレンガ色。胸にゴマダラ模様の黒い斑点(はんてん)、目の上にクリーム色の線があります。





 ♪ ツグミは夏場、シベリア方面で繁殖し、冬に日本に渡ってきます。上の写真のツグミも多分、シベリアからはるばる三貫清水まで飛んできたのでしょう。

 ♪ ツグミがシベリアから日本に渡って来るコースは2つあるそうです。
 1つは、サハリン・北海道から渡ってくるコース、もう1つは日本海を越えて能登半島などから渡ってくるコースです。

 ♪ 自然の本能が成せる業(わざ)とはいえ、海を越えての渡りは、鳥にとってまさに決死行。しかし、無事、日本にたどり着いても、一昔前はたくさんのツグミが「焼き鳥」となって、人間の胃袋に収まっていました。

 ♪ 大量の鳥を一度に捕獲できるカスミ網は、能登半島が発祥の地だそうです。大群で渡ってくるツグミを取って食べるために発明されたというわけです。

 ♪ 焼き鳥といえば今は、串に刺したニワトリの肉ですが、一昔前はツグミがポピュラーだったわけですね。
 私は京都出身で、子どものころ神社の参道などでスズメの焼き鳥がたくさん売られていました。

 ♪ 今、野生の鳥を取ることは、法律で禁止されていますが、一昔前まで鳥にとって「受難の時代」が長く続いていました。







 ♪ ツグミは地上に降りて、ミミズや昆虫などを食べます。背筋をピンと伸ばし、胸を張り、ピョンピョンはねながら、地上を歩き回り、落ち葉などを勢いよくはねとばしながらエサを探します。

 ♪ 下の写真は、上半身を枯れ葉の中につっこんでエサを探しているところです。





松井修一