秋、地上に落ちたドングリは今……


 ♪ 去年の秋、三貫清水はドングリが豊作でした。地上に落ちたドングリは、林のあちらこちらで発芽し、今、地中に根を張っています。

 ♪ 下の写真はいずれもコナラのドングリです。林の中を歩く際、足元に目をやると、このように発芽しているドングリを結構見つけることができます。










 ♪ ドングリは見慣れているけれど、ドングリの発芽は見たことがないという人は多いのではないでしょうか。

 ♪ ドングリは地上に落ちると、先っぽから芽を出します ( 土に埋めなくても、ちゃんと発芽します )。
 雨が降ると、発芽しやすくなります。

 ♪ 出てきた芽は、上に伸びずに、地中に向かいます。まず、根を張るわけですね。
 そして、しっかり根を張ると、この根から「木になる芽」が伸び始めます。

 ♪ 写真のドングリは今、地中で根を広げている段階です。春にはこの根から新芽が出て、空に向かって伸び始めるでしょう。




 ♪ ところで、発芽しないドングリもたくさんあります。発芽しないドングリの数個に1個は、ゾウムシなどの幼虫が入っています。

 ♪ ゾウムシは細長い口を持つ小さな昆虫です。長い口が象の鼻のように見えるので、ゾウムシという名前が付いています。

 ♪ ゾウムシにはたくさんの種類がいますが、コナラのドングリに付くのは、体長1センチほどのコナラシギゾウムシです。

 ♪ 長い口でドングリに穴を空けて産卵します。白いイモムシのような幼虫は、ドングリの実を食べて成長し、やがてドングリから出てきます。
 拾ってきたドングリを部屋の中などに置いていたら、中から虫が出てきたという経験はありませんか?

 ♪ 幼虫の入っているドングリは、実を食べられて軽くなっているので、水に入れると浮くので、すぐに分かります。

 ♪ ドングリではなく、クリを食べると、中に白いイモムシのような幼虫がいることがよくありますね。あれも、ゾウムシの仲間のクリシギゾウムシです。


松井修一