水環境ネットワークの視察に参加してきました


 ♪ さいたま市の外郭団体のようなものとして「さいたま市水環境ネットワーク」という組織があります。

 ♪ 同ネットワークから先日、三貫清水の会に視察参加の呼び掛けがあり、11月27日に渡良瀬遊水地などを見学してきましたので、その内容を簡単にご紹介します。

 ♪ この視察には、さいたま市内で活動する環境保護団体(当会を含め12団体)が参加しました。

 ♪ 最初に訪れたのは、さいたま市見沼区にある「深作自然観察区域」です。


 ♪ ここは、公団の住宅団地(アーバンみらい東大宮)が整備された際に、隣接地の沼と田んぼを生かして整備された自然観察園です。
 広さは十数ヘクタールあり、水鳥も多数飛来します。

 ♪ この日は風が強かったので、水鳥はアシの間に隠れて、姿はあまり見えませんでしたが、「絶滅危惧種のタコノアシなどが自生している」と説明がありました。


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 ♪ 次に訪れたのは、埼玉県行田市にある「利根大堰」(とねおおぜき)です。
 利根川に架かる利根大堰は長さが約500メートル、ここから埼玉県や茨城県に農業用水や水道用水が供給されています。


 ♪ この堰(せき)には、魚道(魚の通り道)が3つあり、今の季節は何と「サケの遡上(そじょう)」が見られます!

 ♪ 私は知りませんでしたが、利根川は日本の太平洋岸でサケが遡上する南限の河川だそうです。

 ♪ 23年前に市民団体「利根川にサケを呼び戻す会」が結成され、サケの稚魚放流が始まり、現在では毎年秋になると、シロザケが続々と遡上してくるようになったそうです。


 ♪ 魚道の横には、上の写真のように観察窓があって、体長70〜80センチもあるサケが遡上する姿を、目の前で見ることができます。

 ♪ これは、なかなか感動ものの光景です。見ている人たちの間から、思わず歓声があがっていました。


 ♪ 訪れたときは、ちょうど、水資源開発公団による遡上調査が行われていました。
 魚道から網でサケをすくい、体重、体長などを測り、鱗(うろこ)を取っていました。鱗は年齢を調べるためだそうです。

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 ♪ さて、次は栃木県まで足を伸ばし、渡良瀬遊水地の見学です。
 ご存じの通り、渡良瀬遊水地は足尾銅山の鉱毒対策の一環として整備されました。

 ♪ 1000ヘクタールを超えるアシ原は全国で最大の広さを誇り、667種類の植物、217種類の鳥、32種類の魚、1345種類の昆虫が暮らす「自然の宝庫」です。


 ♪ 上の写真は、渡良瀬遊水池のバードウオッチングコーナーです。


 ♪ マガモやオナガガモが、あちらこちらで数百羽単位で群れていました。
 これから寒さが厳しくなるに連れ、日に日に冬鳥の数が増えるそうです。

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 ♪ 渡良瀬遊水池から埼玉に戻り、最後に訪れたのは、さいたま新都心の地下雨水調整池です。


 ♪ 地上からこの地下雨水調整池に入ると、まず、その大きさに驚かされます。
 天井までの高さは12メートル以上、奥行きは200メートルもあります。

 ♪ 新都心に降った雨水はすべて、いったんこの地下雨水調整池に貯められた後、河川に流されます。河川が氾濫(はんらん)するのを防ぐ工夫です。
 先日の台風22号の際は、この地下雨水調整池が満杯になったそうです。やはり、大変な豪雨だったんですね。

 ♪ ところで、新都心に建っているビルは、それぞれが雨水貯留タンクを備えていて、雨水をトイレ洗浄水などに利用しているそうです。
 他の自治体と比べ、さいたま市の雨水再利用対策はそれほど進んでいるとはいえないようですが、徐々に取り組みは始まっているというところでしょうか。


松井修一