食欲の秋  ドングリを食べる

 ♪  ドングリは森や山にすむ生き物にとって、大切な「秋の恵み」です。リスやネズミが食べるのはもちろん、冬眠前のクマにとっても、ドングリは大切な食糧です。

 ♪  今年は全国でヒグマが人里に現れ、大きな騒動になりましたが、原因の一つはドングリ不足です。クマはドングリなどの秋の恵みをいっぱい食べ、体に十分な栄養を付けて、冬眠に入ります。

 ♪  ところが今年は、夏の猛暑と雨不足でドングリが不作だったため、空腹で冬眠に入れないクマが、エサを求めて、人里に下りてきた、というわけです。

 ♪  ところで、ドングリはその昔、人間にとっても大切な食糧でした。縄文時代、ドングリは縄文人の主食の一つだったそうです。今も、日本で地域によっては、ドングリを食べるようですし、韓国でもよく食べられているようです。

 ♪  というわけで、ドングリはどんな味がするのか? 食べてみることにしました。私にとって初めての体験です。調べてみたところ、食べられるドングリはスダジイ、マテバシイ、ミズナラ、コナラなどです。シイは生でも食べられるそうです。

 ♪  今回は、三貫清水でコナラとミズナラのドングリを拾ってきて、食べることにしました。それでは、やってみましょう。

 (1) 生のドングリの皮をむくのは大変です。お湯で煮て、乾燥させる方法が簡単そうです。まず5分ほど煮ました。

 (2) 太陽に当てて乾かします。

 (3) 乾くと、指で簡単に皮がむけます。

 (4) 取り出したドングリの実です。結構黒っぽいものもあります。

 (5) コナラやミズナラのドングリはアクが強いので、アク抜きが必要です。重曹(じゅうそう)を入れて煮ます。お湯がアクで真っ黒になるので、お湯を捨て、水を入れ替えながら、何度か煮ます。食べてみて、渋くなかったらOK。

 (6) アクがほぼ抜けたドングリです。アクが強かったので、真っ黒(こげ茶色)になってしまい、コーヒー豆のようです。

 (7) ボールに入れて、つぶします。すりこ木でやるのがいいでしょう。

 (8) ドングリ10に対して、カタクリ粉3、砂糖2〜3ほどを加え、よくまぜます。

 (9) ダンゴ状に丸めて、蒸し器で10分ほど蒸してみました。

 (10) さて、どんな味がするでしょうか? 生まれて初めて食べた感想は、特にクセがある味ではないし、「おっ、結構いけるじゃない!」という感じ。とはいえ、そんなにおいしいわけでもないし、そんなに特徴がある味でもない、というところでしょうか。

 (11) クッキーのように焼いてみました。これも結構食べられます。

 ♪  インターネットを検索していたら、ドングリのクッキーが販売されているのを見つけました。製造しているのは、岩手県の岩泉町産業開発公社「大地工房いわいずみ」です。「どんぐりクッキー」「どんぐりラーメン」「どんぐり麺」「どんぐりパン」などが通販されています。なかなか面白そうです。
http://www.echna.ne.jp/~daichi/index.html



松井修一