名前に納得! その3  「カヤツリグサ」

 ♪ これはカヤツリグサです。空き地や道ばた、畑など生える一年草で、茎(くき)が丸ではなく、三角形をしているのが特徴です。
 なぜカヤツリグサというのか、先日、若本さんに教えていただきました。
 ♪ カヤツリグサは漢字で「蚊帳吊り草」と書きます。蚊帳(かや)はあの蚊帳です。といっても、今の子どもたちにはチンプンカンプン。
 昭和30年代ころまでは、夏の夜、蚊(か)に刺(さ)されないよう、蚊帳の中で寝ていたなんて、今の子どもたちには想像もつかないでしょうね。
 インターネットで調べてみたら、今でも蚊帳を売っている店がいくつかありました。下の写真は、ある店で販売されている蚊帳の商品写真です。いやー、懐かしいですね。
 ♪ ところで、なぜ「蚊帳吊り草」なのか? 百聞は一見に如(し)かず。やってみましょう。

(1)カヤツリグサの茎を適当な長さ(15〜20cm)に切ります。



(2)切った茎の片方を二つに割ります。



(3)そのまま下の方まで、裂(さ)いていきます。
   ※最後まで裂かずに、途中で止めてください。




(4)茎の反対側を同じように割って、下の方まで裂きます。



(5)広げると、こんな形になります。
これで、名前の由来が分かったでしょうか?


 ♪ これが蚊帳を吊った形に似ているので、カヤツリグサという名前が付いたそうです。

 ♪ また、この形が四角い升(ます)に似ているので、別名、「マスクサ」ともいうそうです。
 しかし、升といっても、これまた今の子どもたちには分からないでしょうね……。時代が移り、生活様式が変わると、物の名前の説明というのは難しいものです。

 ♪ ところで、カヤツリグサを下の写真のように逆さまにすると、これも何かに似ています。
 ♪ 「ああ、そうだ、そうだ」と思われた方も多いでしょう。線香花火がパチパチと燃えている姿にそっくりです。
 線香花火なら今の子どもたちにも分かりますよね。

松井修一