昆虫のカモフラージュ 「アオバハゴロモ」

 ♪ 下の写真の真ん中に、青みがかった薄緑色のものがあります。一見すると、若葉のようであり、新芽のようでもありますが、これは昆虫です。


 ♪ もう少し、近付いてみましょう。左の方に頭があるのが分かりますか?  じっとしていると、昆虫だと気づかないかもしれません。


 ♪ これは「アオバハゴロモ」といいます。体長約1センチほどの小さな昆虫です。木の汁を吸う害虫で、「私は葉っぱです」とでも言いそうな顔をして、木の汁を吸っているわけです。
 しかし、こうしてアップで見ると、結構かわいくて、優雅な姿をしています。


 ♪ アオバハゴロモを漢字で書くと「青翅羽衣」。名前も優雅です。英語の学名は「Geisha distinctissima WALKER」。 Geisha は「フジヤマ、ゲイシャ、スキヤキ」の「芸者」のことです。「きれいで、かわいい」という形容詞として、外国人が「芸者」という言葉を使ったようです。
 今の季節、アオバハゴロモはいろいろな木にたくさん付いています。普段気づかないかもしれませんが、いろんな昆虫がいるものですね。

 ♪ 下の写真は、ガの一種の「エビガラスズメ」です。アシ原の木の杭(くい)にとまっていました。体長7センチほどの大型のガです。
 写真を撮った角度が悪かったので、分かりにくいかもしれませんが、体の色を杭の色に同化させ、「私は杭の一部です」と言いたげな顔でとまっていました。


 ♪ 本人は完全に杭の一部に成りきったつもりでいますから、人間が指でつついても、動きません。
 しかし、横から見ると、ガであることは一目瞭然です。それにしても、こわい顔をしていますね。


 ♪ ガはとまった場所に合わせて、体の色を変えます。敵から襲われないようにするカモフラージュです。
 下の写真のように、エビガラスズメも、とまる場所によって、こんなに体の色を変えます。



松井修一