今年は寅年 トラに由来する昆虫        

 

 
 2022年は寅年。探してみれば、この森には「トラ」に由来する名前の昆虫が結構います。以前に掲載したものからご紹介します。


 最初はヨツスジトラ カミキリ(2014/7/21参照)。大きな写真にしましたが実際は2pくらいです。顔の正面からの撮影がなかなかできず苦労した記憶があります。

 見れば見るほど精悍な顔つきです。虎柄の体とガンの飛ばし方が相まって、阪神タイガースの応援団長がピタリと来ます。「六甲おろし」を歌わないと食いつかれそうです。右上に入れた写真で分かりますが、この模様はハチに擬態していると言われています。発生期間は6月から9月くらいでしょうか。毎年姿を見せてくれますので夏をお楽しみに。背景の花はシーズン終盤で、枯れかけたアジサイです。



  もう一種カミキリムシの仲間で、タケトラカミキリというのも居ます。ヨツスジよりやや小ぶりで細い感じです。子供の頃はこちらの方をよく見かけましたが、今ではやや少ない感じです。

 調べたら、〇〇トラカミキリというのはたくさんいました。キイロトラカミキリ  ホソトラカミキリ エグリトラカミキリ キスジトラカミキリなどなど、10種類以上いるようです。但し皆丘陵地に生息していて、今までこの森では見かけたことはありません。




 チョウではトラフシジミがいます。漢字では「虎斑小灰蝶」だそうで、名が体を表しています。
 虎斑は翅の裏側で、表は左上のようにきれいな青色です。これは夏型ですが、春型の方が虎柄が明瞭です。


 
 もう一枚右向きを(管理人のページ2005/7/3参照)。分布は日本全国で広いのですが、この森では最近は3年に一度くらいしか姿を見ていません。ちょっと心配です。



 次はアサギマダラです(2013/6/6参照)。なぜこれが虎と関係あるのか?英語が「Chestnut Tiger 」なのです。直訳すると「栗毛色の虎」。縞模様は確かですが、下翅の茶色の部分を強調したようです。この種類は「マダラチョウ科」と言い、 Tiger が付く種が多いですが、わが国ではアサギマダラ以外は沖縄まで行かないといません。温暖化が進んでいますが、さすがにここまで来ていません。しかし、現在の状況だと20年後は分かりません。

 虎柄ならばアゲハチョウの方がに近いように思えますが、こっちは英年語では「Swallowtail butterfly」。尾状突起のある形状を優先したようです。 

 



 最後はトウキョウヒメハンミョウです(2009/8/2参照)。これも英語から来ていまして、ハンミョウの仲間は「Tiger Beetle」なのです。ハンミョウは肉食で、写真ではわからないですが、上のヨツスジでも尻込みするような、体に不相応な大きな刀のような口を持っています。これで獲物を襲う姿が虎のように見えたのが名前の由来らしい、と言われています。
 因みに漢字では「斑猫」と書きます。斑は「まだら」なので分かるとしても、次は「猫」。ハンミョウという発音は中国語由来で、ミョウとなる漢字が当用漢字になく当て字を使ったのではというのが一応「学説」です。ただ、愛猫と書いて「あいびょう」と読むのも認知度は低く、「あいねこ」と読む人が20%くらいいるそうで、猫をミョウと読ませるのはかなり苦しいですね。
 英語と日本語、全く別々に考えられていたとすると、辿り着いたのが猫とTiger(虎はネコ科)というのも面白いです。
 あるいは論文や図鑑などで「Tiger Beetle」が先に使われていて、これを参考にしたのでしょうか。だとすると「斑虎」が妥当ですが、大きさが1p程度なので、虎では名前負けするため、猫にしたのでしょうか?あるいは虎をミョウと読ませるのはさすがに抵抗があったのか?
  
 



2022/2/4