クロコノマチョウいました     

 
 

 「クロコノマチョウ」と言います。ナガサキアゲハやムラサキツバメと同様、温暖化により北上してきた種類です。
 かなり前からさいたま市にも生息という話は聞いていたのですが、なかなか目撃することができませんでした。今回、確認できました。撮影は南広場です。
 成虫で越冬すると図鑑には出ていますので、年内でも暖かい日は姿が見られるかもかもしれません。
成虫で越冬するのはキタテハなどタテハチョウの習性です。このチョウは分類的にはジャノメチョウの仲間ですが(正確には現在の分類では「タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科」)、ご覧のように翅はカギ型をしていてキタテハなどと似ています。最初の分類でジャノメチョウにしたのはミスだったかも?
 


 
 翅を開くとこんな模様。これは私の標本のもので、1998年に愛媛県の道後温泉で捕獲しています。このチョウの飛翔は特徴があり、フワフワと舞い上がるのですが、数メートル移動してすぐに着地してしまいます。従って、採集はアゲハチョウなどと比べると楽です。一度見つければ大体捕獲に成功します。

 但し、大変よく似ている「ウスイロココノマチョウ」というのもいて、もしかすると標本のはそちらかも知れません。この2種は昭和20年代までは混同されていた程、識別は難しいです。


 
 標本はもう一つあり。これは1990年頃当時住んでいた川崎市で採集したものです。色が薄いので「ウスイロ」の方と推測します。
 会社の庭に見慣れないチョウがいたので捕獲したらこれでした。台風のすぐ後で、風に吹かれて南方から川崎まで運ばれてきたものと思っていたのですが、論文では北上が進展していて1990年には箱根山を越えていた、とあるので定着していたのかも知れません。



 
 もう一つ、温暖化によりさいたま市に来た「ムラサキツバメ」もご紹介します。これも標本から。美しい色で、さすが南方系。、




 2019/8/31の報告の写真です。翅の裏側は地味です。花の丘で撮影しています。





2025/11/18