令和まであと2週間を切りましたが、どうやらこれが平成最後のリポートになりそうです。
三貫清水の森も令和に備えたモデルチェンジということでもないでしょうが、育ってほしい草花の種類および株数が増えています。これぞ、活動の成果!?
特に、南側の斜面林は大きな変化があります。
まず、ご紹介したいのはタチツボスミレ。全体で7,8uにわたっているでしょうか。絨毯のようです
。
花を少しアップしてみました。
スミレ類の葉はツマグロヒョウモンの食草です。
似たような野生のスミレにビオラ・ソロリア(パピリオナケア)があります。拙宅の裏庭には2m×1m程度の範囲で生えているのですが(植えたわけではなくいつの間にか生えていた)、毎年ツマグロヒョウモンが巣立っていきます。そのため、8月末には葉は丸坊主になってしまいますが、孵化下ばかりでこれから葉を食べなければならない幼虫
もたくさん残っています。毎年この住民(?)の移住に悩んで来たのですが、今年はここに連れて来ればよさそうです。ここの葉が食べられていないことが前提ですが。
因みに拙宅のビオラ・ソロリア(パピリオナケア)は今こういう状態です。花の色はタチツボスミレより紫が濃いのが特徴です。これも結構美しいですが、開花期間が1週間程度と短いのが残念です。
夏にはこの下のようになります。黒いのが幼虫です。白枠は蛹化準備体制に入ったもので、これから脱皮して蛹になります。
そして、こんな 2 ショットも。結構貴重なシーンと思われます。
ウラシマソウとムサシアブミですが、両方ともサトイモ科です。
ウラシマソウは、今年はこれまで最高の株数が確認できていて、北側斜面林にもたくさん出ています。
花のように見える部分はサトイモ科によく見られる構造だそうで、「仏炎苞(ぶつえんほう)」(苞は「つと」 納豆のつと)と呼ばれる葉の一種が、小さな花の集まった「肉穂花序」(にくすいかじょ)を包むようにして立ち上がっています。
そしてこの「肉穂花序」の先端が細長く伸びて糸のようになります。これが浦島太郎が釣り糸を垂れる姿に似ているのでウラシマソウと名付けたそうですが、このネーミング、かなり発想力の豊かな方ですね。私はこの植物から浦島太郎は考えられません。釣り糸の部分は「付属体(ふぞくたい)」と呼ばれています。
ウラシマソウは埼玉県では準絶滅危惧種とされていますので大事にしたいです。性転換する植物としても有名ですが、憎いことに力のない株は雄花となり、力のある株は雌花になるそうです。
平成最後は、幼虫は出てますが成虫の昆虫が登場しないリポートになりました。
令和になりましたら、ミドリシジミ発生のニュースを報告できれば良いですが。
2019/4/18
馬場一秋