アゲハの仲間とモンシロチョウ
アゲハとモンシロチョウの面白い写真が取れました。アゲハは正式名がアゲハで、「チョウ」は付きません。モンシロチョウは正式にもモンシロチョウですが以下モンシロとします。
この2種類、多すぎるのでニュース性がなく、これまでレポートする気がしませんでした。調べてみるとモンシロは初登場、アゲハも2014年以来です。採用されない状態に腹を立てたのか、たまには掲載しれくれということで(?)、この2種が共演で面白いパフォーマンスを見せてくれたので、今回ご報告いたします。
最初は吸水するアゲハの上空を通過するモンシロです。
アゲハを撮影しようとした時にジャストのタイミングで横切ってくれました。
俳句で季語が複数ある「季重なり」は、初心者で気づかないで使うか、あるいは上級者による高等技術だそうですが、この「チョウ重なり」の撮影は単なる偶然でした。モンシロは「ちょっと上空を失礼」とか言ってるのでしょうか。
その上空通過のモンシロが降りてきて、アゲハの前に着陸、アゲハとお見合のようになりました。
違う種類ですが、チョウ同士はこういう場合どう意識し合うのでしょうか。因みにモンシロはオス、アゲハはメスで、両方とも春型のようです。モンシロのオスがアゲハに求愛しているのか?何かちょっかいを出そうとしているのでしょうか。
尚、今年はアゲハの仲間ではナガサキアゲハが多いようで、大変よく見かけます。メスの黒い翅に白い紋に注目してください。
ジャコウアゲハのオスの写真も取れました。オスのこれだけのアップの撮影成功は初めてです。春型のようです。蜜を吸っている花はムラサキケマンでしょうか。
ジャコウアゲハは毒蝶です。ジャコウアゲハの食草のウマノスズクサは、毒性のあるアリストロキア酸という物質を含み、幼虫時代にその葉を食べることによって、体内に毒を蓄積します。この毒は一生を通して体内に残るため、ジャコウアゲハを食べた捕食者は中毒をおこし、遂には捕食したものを殆ど吐き出してしまう。一度ジャコウアゲハを捕食して中毒を経験した捕食者は、ジャコウアゲハを捕食しなくなるそうです。
このため、ジャコウアゲハに擬態して身を守る昆虫もいくつか存在し、このような擬態をベーツ擬態と呼びます。日本で見られる例としては、クロアゲハやオナガアゲハがジャコウアゲハに擬態しているとされています。
それにしても、幼虫時代毒草を食べて、成虫でも体内にその毒を蓄積させているとは、人間でいえば赤ん坊の時トリカブトを食べて育って、その毒が大人になっても体に残っているようなものです。
それで、自分は何ともないのは何故か?生物の体は不思議です。勿論研究されてますが、はっきりしたことはわかっていないようです。
下は、以前に撮影したジャコウアゲハのメスです。メスは正式には何と言うかわかりませんが、薄茶色。オスメスの色の違いをご紹介するために再登場させました。
2018/5/21 馬場一秋