ゴマダラチョウ 駆逐されてないか?

 

 
 ゴダラチョウの死骸を見つけました。カラスにでも襲われた後でしょうか。無残な姿です。しかし今年も生息していることがわかって一安心です。尤も三貫清水の森にいた物かどうかは確定できないですが。

 2009年以来ゴマダラチョウの数が気になっています。原因は勿論 外来種 アカボシゴマダラ です。私がこの森でアカボシゴマダラを初めて確認したのが2009/8/15で、この私のページに報告してあります。その後アカボシゴマダラは増えるばかり、それに対して在来種のゴマダラチョウはどうでしょうか。統計的に確認したわけではないですし、飛翔する姿はちょっと見ただけでは識別しずらいので、断定はできないのですがやはり減っているように思われます。

 


 一方のアカボシゴマダラはますますはびこっています。この日は「カブトムシの集まる木」で悠々樹液を吸っていました。

 
 アカボシは、どうもゴマダラより適応能力が高いようです。
 その一つは飛翔能力で、生息範囲をどんどん広めています。もう一つは発生回数で、ゴマダラが通常年2回なのに対して、アカボシは年に3〜4回発生するようです。 

 「駆逐」の可能性があるのは、幼虫時の食草によります。この2種類は食草が同じエノキなのです。
 2010年頃ゴマダラは雑木林の林縁に生育する比較的大きい老木を好み、アカボシは広場や道路脇の日当たりがよいオープンな環境に生育する0.5mから2.0mぐらいのエノキの幼木を好んで「棲み分け」しているのでは、という報告がありましたが、どうなのでしょうか。三貫清水の森にこれだけアカボシがいるというのはエノキの老木も食草としているのではないでしょうか。
 とにかく、ゴマダラチョウの頑張りに期待でするのみです。



 話題を変えましょう。
 今アカボシと同じように見かけるのはベニシジミとキタテハでしょうか。これの季節型の比較を報告します。下はベニシジミ春型です。


 
一方今出てきている夏型はこんな感じで、一目瞭然で春型の方がオレンジ色が綺麗です。夏型はくすんでますね。



 
次はキタテハの夏型です。キタテハは成虫で越冬するので春型は無く、夏型と秋型があります。これは翅の裏面が大きく変わります。



 
 下が10月頃出てくる秋型です。こちらの色の方がシックで私は好きです。
 この季節変化の要因は漠然と気温と思われていましたが、研究の結果日照時間であることがわかりました。
ですから人工的に夏に秋型を作り出すことも簡単にできるそうです。





2017/7/29 馬場一秋