ヒオドシチョウがいました。成虫で越冬したものでご覧のように翅はボロボロです。翅の色は発生した時は「緋縅」の名前のように非常に鮮やかなオレンジ色ですが、かなり色が褪せています。
それ程珍しい種類ではないのですが、意外にもこのHPには初登場です。夏に飛翔中の姿を見てはいたとは思いますがシャッターチャンスがなく、今回の遭遇は大変嬉しいです。
タテハチョウ科で、樹液を吸いに来ます。子供の頃カブトムシやクワガタを取りに樹液の出る木に行くと、よくこのチョウを見かけたものです(怖いスズメバチもいましたが)。同じ樹液に来るチョウとしては、三貫清水の森にはコムラサキ、ルリタテハ、キタテハが棲息しています。タテハチョウ科でも、よく見かけるアカタテハとヒメアカタテジは花の蜜を吸い、樹液には来ません。
キタテハとルリタテハには夏型と秋型があり、越冬するのは秋型なのですが、どうも調べた範囲ではこのヒオドシチョウは夏型だけのようです。そうだとすると、6,7月くらいに発生して翌年4,5月まで生きている大変長生きのチョウと言うことになります。
若き日の中曽根康弘元総理が「緋縅の鎧をつけた若武者のようだ」と言われていたとか。ヒオドシチョウにとっては名誉なのか迷惑なのか?
参考までにこれがキタテハです。やはり成虫で越冬したものですが、名前の通りヒオドシチョウより黄色っぽいです。もっともこれは秋型で、夏型はもっと黄色です。翅の損傷度はよく似ています。
ヒオドシチョウの翅の裏はこういう色です。こちらもかなり色が褪せていて、発生したばかりの時はもっと黒い色です。
2016/4/10