暖冬でしたがようやく冬らしくなりました。
昨年11月に植樹したハンノキですが順調に育ち、芽が出てきました。夏にはこれにミドリシジミが卵を産んでくれればよいのですが。但し、ミドリシジミは発生が年1回なので、最短でもそれが羽化するのは来年の夏になります。まあそう簡単にはいかないと思いますので、この3〜4年をめどにしたいと思います。2020年、東京オリンピックまでには何とか復活させたいと考えています。
下の写真のガはフユシャクです。世の中には必ずへそ曲がりがいますが、これもそうで他の昆虫がいない冬だけ活動します。フユシャクと言うのは総称で全部で30種類以上いますが、これはどうも翅の先の尖り方と触角の形から、クロスジフユエダシャクという種類のようです。大きく表示しましたが、体長は2〜3p程度です。フユシャクは殆ど夜行性ですが、これは珍しい昼行性です。
写真はオスです。フユシャクのメスは翅が無いか、あっても極めて小さく以前「流氷の天使」として話題になったクリオネのような姿で、飛翔することができません。しかし、フェロモンを分泌してオスを引き付けます。ガのメスは翅が無いのが結構あります。幼虫時代ミノムシと呼ばれるミノガのメスは特にひどく、成虫になっても幼虫と同じ姿でミノの中にいて足すら生えない種類もあります。それでもオスを引き付けるのですから、フェロモンの力は絶大です。
余談ですが、フェロモンはメスの専売特許ではなく、メスを引き付けるオスのフェロモンもあり、これは昆虫だけでなく人間にもあるそうです。テストロンという物質だそうで、皆様、「分泌方法」を研究しましょう。
最後ですが、水路を埋め立てた場所で霜柱ができていました。子供の頃、サクサクと霜柱を踏みながら歩くのが冬の楽しみの一つでしたが、道路が殆ど舗装された現在では霜柱は「貴重品」です。
学生時代、土中の水について研究していたことがあるのですが、霜柱が伸びていくという現象は絶妙なメカニズムが必要になります。すなわち、土中の水が上に上がってきて空気に触れた途端に凍らないと背が高くならないわけです。寒すぎると土中で凍ってしまうので、例えばシベリアでは霜柱は無いわけです。
以前、霜柱は我国特有の現象であるとの報告がありました。最近の研究では外国でもあるのでは、となっていますが、我国の土、特に関東ローム層と関東の冬の気温が霜柱の成長には最適な条件のようです。私の大学は
府中にありましたが、教授が「霜柱の研究をするならこの大学が日本一、いや外国に霜柱はないので世界一良い環境にある」と言っていたのを覚えています。
2016/1/16 馬場一秋