ニイニイゼミ初登場 セミの出てくる順番が変!

 


 ニイニイゼミの2ショットです。セミは撮影が難しいので登場機会が少ないのですが、ニイニイゼミは2003年に開始以来、このレポート初登場です。止まっている木の色が同じような色なので、保護色のようでやや見づらいですが、2匹上下に並んでいます。翅の色もやや薄いようで、羽化してそれほど経っていないのかも。すぐ下に脱殻がありました。 

 一つ前のレポートでも書きましたが、この7月上旬は雨が多かったのですが、そのためかセミの出現順がおかしくなっています。最初にニイニイゼミはいつものことなのですが、同時にアブラゼミがもう鳴き始めています。普通はニイニイゼミの次は少し空いてヒグラシの「カナカナカナ」なのです。その後アブラゼミ、ミンミンゼミという大御所たちが登場、8月に入ってツクツクホウシとなるのですが、今年はヒグラシの前にアブラゼミで、私はまだヒグラシを聞いていません(出ているのかもしれませんが)。データを調べると長雨のためニイニイゼミが出遅れ、アブラゼミは例年通りのようです。ヒグラシがいつ出てくるか、気になります。




 
 
 芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の蝉はこのニイニイゼミを主張する人が一番多いようです。アブラゼミ説、ヒグラシ説もありますが、芭蕉が立石寺に行ったのは太陽暦にすると7月13日だそうで、時期的にアブラゼミの可能性は低いとされていました。しかし、今年のようなニイニイゼミ出遅れ、という状況ならアブラゼミでもおかしくないことになりますが、アブラゼミの鳴き声は「閑さ」という表現には似合いません。
 私はヒグラシのカナカナカナという鳴き声が「閑さ」という表現に一番合っているように思いますが、「岩にしみ入る」ようなのはやはりニイニイゼミの鳴き声です。また、「閑さ」は「しずけさ」か「しずかさ」か、どちらでしょう。こんなことで議論するのも楽しいのでは。

 セミでもう一つ気になっているのがクマゼミの北上です。私は5,6年前から木場とか大井町といった都心の公園で、クマゼミの「シャーシャー」という鳴き声を聞いています。ところが、三貫清水の森ではまだ聞いたことがありません。ナガサキアゲハなど南方系の昆虫の北上が進む中、クマゼミの到達はまだなのでしょうか。ネットで見ると埼玉県では熊谷に居たという報告もありますが、情報があまりないようです。埼玉県のクマゼミ情報、ご存知の方がおいででしたらご連絡ください。

 他にはアカタテハの撮影ができました(場所は花の丘です)。これも初登場と思われます。模様が軍服を連想させるとのことで、海軍大将(admiral)というあだ名をつけた昆虫研究者がいましたが、確かに下翅の斜めのラインが昔グループサウンズが着ていたミニタリールックを連想させます。2005/12に類似のヒメアカタテハのレポートを書いていますが、こちらは貴婦人という感じです。



 


2015/7/19 馬場一秋