ナガサキアゲハとカマキリの抜け殻

 


 昨日のリポートで、「オーシーツクツクは宿題開始の合図」と書きました。それを見たわけでもないでしょうが、今日8月16日になったらツクツクホウシが鳴き出しました。ピタリ8月が半分経過の折り返し点、まるでカレンダーを見ているようです。本当に、宿題のある人はそろそろ着手しましょうね。
 今日も35度と猛暑でしたが、ツマグロヒョウモンと並んで温暖化の申し子であるナガサキアゲハのオスが吸水しているシーンの撮影に成功しました(写真左)。完全に静止していないので、やや不鮮明ですが捕獲していない状態での撮影成功は初めてです。ナガサキアゲハの特徴の一つはアゲハチョウ科のシンボルである尾状突起がないことですが、もう一つはメスの方が美しい模様の翅を持つという点です。
 普通動物は、孔雀が良い例ですがオスの方が美しい姿をしています。オスは求愛のため目立たねばならず、逆にメスは卵を抱いたりする時目立ってはならないので、くすんだ姿をしています。昆虫も大体そうなのですが、ナガサキアゲハは数少ない例外で、メスは黒地に白や赤の斑紋のある美しい模様で、且つオスより一回り大柄です(写真中央)。一方オスは一見黒いだけ。良く見ると黒いだけでなく青味がかった光沢があってなかなか渋いのですが、何分にもメスが派手過ぎるのでアピール度は譲らざるを得ません。ダークスーツと派手なドレスということで、人類の結婚式の男女の関係と良く似ています。
 写真右の怪物は何でしょうか。ミズヒキについていたカマキリの抜け殻なのです。カマキリは親と同じ姿で生まれてきて、蛹の期間がない不完全変態ですが、成長過程で数回脱皮します。ところが抜け殻は柔らかいのと、しがみつき方が緩いので風に飛ばされたりしてなかなか見ることができません。私も、セミの抜け殻はいくらでも見ていますが、還暦近くまで生きてきて初めてカマキリの抜け殻を見ました。
 というわけで、今回の写真は考えてみると両方とも奇跡的な撮影だったのかも知れません。神に感謝です。




















                                                       2011/8/16 馬場一秋