スジグロチョウ 交尾拒否

 

 

 写真はスジグロチョウ。上がオス、下がメスです。
戯れているのではありません。オスの求愛に対して、メスは交尾拒否のポーズを示しているところです。
 以前に交尾の経験のあるメスは、その後別のオスに求愛されてもこのポーズで拒否するのです。
 20分ほど見ていましたが、その間オスは彼女に惚れこんでいるようで、しつこく交尾をせまろうとしていましたが
メスの方は最後まで断固拒否していました。
 頑張るオスに段々情が移ってきて、応援していましたが、見ている間は思いをとげることはできませんでした。

 インターネットで「交尾拒否」で検索してみると、このスジグロチョウをはじめモンシロチョウやモンキチョウと
いったシロチョウ科のチョウの例が殆どです。アゲハチョウやタハチョウなど他の科のチョウも交尾拒否はする筈で
すが見つかりません。ポーズがこれほど派手でないのか、あるいは飛翔が速くて写真が撮りづらいのか。
理由はわかりません
 私が学生時代指導を受けた先生が、モンシロチョウの行動に関する研究を行っていましたが、交尾拒否の行動につ
いても研究されています。それによると、交尾時にオスは附属腺分泌液を雌の交尾嚢に送り込みます。これがメスの
交尾嚢を押し広げる。この刺激は最終的に「交尾拒否ホルモン」の分泌を刺激し、このホルモンが血中に存在すると
メスは交尾拒否行動を取るそうです。
 最近の研究では、中には浮気症のメスもいて、しつこく求愛されると2回目の交尾をするのがいるとも言われて
ますが。




                                                  2010/6/26 馬場一秋