春の昆虫の季節が来ました

 

 
 連休も終わり春本番、というかもう晩春。久しぶりのリポートです。
 今、三貫清水の森では春のスター達が活動しています。連休中には、アゲハ、クロアゲハ、ジャコウアゲハ、モンシロチョウ、スジグロチョウ、モンキチョウ、キチョウ、ツマキチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、ベニシジミ、ルリシジミなどいつもの顔ぶれを確認しました。

写真左はクロハネシロヒゲナガガです。昼間に活動する蛾の一つです。2005年5月にもご紹介しましたが、とにかくヒゲが長い。キリンの首や象の鼻が長いのは一応説明がついているようで、要するに食物を取ったり水を飲むためといわれています。しかし、このヒゲナガガの仲間が何故こんなに長いヒゲを持っているのかは、まだ説明ができていません。「小蛾類の生物学」という、蛾の研究者が書いた本がありますが、これによると「理由はわからない」そうです。とにかく飛んでる姿を見るとヒゲが重そうで、今にも墜落しそうです。ウスバカゲロウが飛ぶのが下手で、北杜夫さんが「薄馬鹿下郎」と言っていましたが、それに輪をかけて危なっかしい飛び方です。ヒゲは体よりずっと長く、色は白いので飛んでいるところは、白い糸くずが風に舞っているように見えます。
 蛾と言えば、メスがオスを誘う性フェロモンが有名です。これは蛾が本来夜行性なので、匂いでオスを誘うために必要なものなのです。したがって昼間活動する蝶には性フェロモンはありません。蝶のオスは目でメスを見つけます。ということは昼間活動する蛾にとっては性フェロモンはどういう意味があるのか?これもまだ分かっていないようです。
 余談ですが、「藤原紀香はフェロモンをふりまいて」なんていう記事をスポーツ紙の芸能欄で読んだことがありますが、これを書いた記者は性フェロモンは蛾しか出さないのを知らなかったのでしょうね。藤原紀香は蛾だ、って言ってるわけですから。
 写真右はコメツキの仲間で、サビキコリという名前の昆虫です。コメツキの仲間は光沢のある体をしているのですが、これは光沢がなく確かに「錆」ているような外観です。また、他の種類は仰向けにして置いておくと、跳ねて元に戻るのですが、このサビキコリは動きが鈍くそれをしません(見たことがないだけかも知れませんが)。子どもの頃、これはコメツキの中の落ちこぼれ、ナマケモノみたいに考えていました。但し、写真にして良く見ると羽の模様はなかなか渋く美しいですね。還暦間際になって始めて気付きました。長生きはするものですね。

 












                                    
                                                 2010/5/12 馬場一秋