気になること

 

今は冬。昆虫達は成虫、幼虫、卵と種類ごとの越冬方法で春を待っています。チョウも成虫で越冬するのが結構いて、今月末くらいには、暖かい日に成虫で越冬した種類が姿を見せてくれるでしょう。

昨年の観察結果で、ちょっと気になることがあります。一昨年、埼玉県の蝶であるミドリシジミを発見できて喜んだのですが、昨年は残念ながら1頭も(余談ですが、昆虫の正式な数え方は牛や馬のように「頭」。「匹」ではありません)、見ることができませんでした。ミドリシジミだけでなく、やはり一昨年までいたのに昨年は姿を見せなかった種類があります。左の写真のアカシジミ、そしてミズイロオナガシジミ、トラフシジミといったシジミチョウの仲間、そしてテングチョウです。管理人さんのページの、200573日、8日のレポートにこれらのチョウの写真があります。ツマグロヒョウモンのように増えた種類もありますが、減っている方が多いというのが気になるところです。昨年だけの話で、今年はまた出てきてくれれば良いのですが、

もう一つ、驚いたことがあります。夏には樹液がたくさん出て、虫達の大衆酒場だったヤナギの樹が伐採されていました(右の写真)。どうも伐採は1月中の出来事だったようです。以前のレポートで、20067月のコムラサキ、8月のゴマダラチョウはこの樹で撮影したものです。夏には三貫清水を訪れると、どんな昆虫が来ているか必ずチェックしていた大切なポイントだったのですが。

土木技術者であり、現在ある水路の設計で樹木の伐採を行う地点の検討をしているという皮肉な状況なのですが、市街地に残された数少ない自然の消滅は寂しい限りです。

 2008/2/11 馬場一秋