クモの餌食! アオスジアゲハ

 

これは何だ?三角翼のジェット機?縞のあるエイ?

いえ、昆虫なのです。アオスジアゲハといます。飛翔しているところを見事に撮影しました・・・・と言いたいところですが、これはクモの巣にひっかかってしまった無残な姿です。撮影時の画素が少なく、クモの糸が写っていないため飛翔中のように見えています。

アゲハチョウ科のチョウは、大きいことと飛ぶのが速いことが特徴ですが、中でも速いのがこのアオスジアゲハで、私も飛翔中に採集した経験はありません。採集している人間をあざ笑うような、変幻自在で素早い飛翔をします。

ボクシングのスーパースター、モハメド・アリのキャッチフレーズは「チョウのように舞い、ハチのように刺す(Float like a butterfly Sting like a bee)」ですが、ではこのチョウとは何という種類か?と問われたとき、日本にいるチョウで最もふさわしいのがアオスジアゲハと言ってもいいでしょう。そんなスピード王にも、思わぬ落とし穴(というのか何と言うのか)、クモの巣にひっかかってしまったのです。

余談ですが、「ハチのように刺す」のはどんなハチかというと、最近三貫清水の森で猛威を振るっているスズメバチがふさわしいようです。こっちも下手をすると命を落とすほどの危険なヤツです。夏場から秋口にかけて最も活発に活動する危険な時期です。巣のある付近に立札がでていますので、皆様気をつけてください。

丸の中にいるのがこの巣の保有者のクモです。獲物と比べるとかなり小さいですね。クモの仲間は昆虫の体液を食料としますが、羽の部分は食料にならないので、クモとしても予想外の大きすぎる獲物で、処分に困っているのではないでしょうか。

 

 2007/9/1 馬場一秋