15年に一度のチャンス アブラゼミの誕生シーン

 

連日の猛暑で皆ぐったり、元気なのは「ジージー」「カナカナ」と鳴きまくるセミの仲間だけという感じがしますが、セミの誕生シーンの撮影に成功しました。セミの抜殻は三貫清水の森でもよく目にしますが、誕生シーンはそれがほとんど夕方から夜に行われるため、まず見ることができません。これまで私の生涯で目撃経験は3回。小学生の時2回、15年ほど前に家族旅行で長野県に行った時が3回目。3回目は夜でなく昼間森の中で発見、レンズつきフィルムで撮影しました。そして今回4回目の遭遇で初めてデジカメでの撮影に成功です。写真は殻から出てきて1時間ほど経過したところでしょうか。羽に色がつきかけていますが、あと30分もすると完全な茶色になるでしょう。

これはアブラゼミです。「ジリジリ」あるいは「ジワジワ」(もっと近い表現があるかな?あったら連絡をしてください)という鳴き声が、油で揚げる時の音に似ているのでアブラゼミという名前になったのですが、何年聴いても暑い夏をより暑くしてくれます。アブラゼミという名前も暑い。ミンミンゼミみたいに鳴き声そのままジリジリゼミの方がまだ涼しく感じそうです。但し、この鳴き声を聞かなければ夏が来たという気がしないのも確かですが。

昨年7月から1年間京都で暮らしましたが、関西の夏はクマゼミの「シャーシャー」という鳴き声が夏のBGMになります。この鳴き声の方が気分的には暑さをやわらげるようで、暑いと脅されていた京都の夏ですが、意外と涼しく感じました。

夜間撮影でフォーカスが不十分だったのですが、このページの管理人の方の職人芸により、シャープな画像に修正されたことを付記します。

 

 2007/8/11 馬場一秋