思い出してくださいあの頃を アゲハ

 

アゲハです。正式名がアゲハでアゲハチョウではありません。三貫清水の森にたくさんいます。しかし空中を軽快に飛翔している状態がほとんどのため、この数年狙っていたのですがシャッターチャンスがありませんでした。今日はついに静止してくれているものと遭遇しました。カメラが望遠ではないのでかなり近づいたのですが、それでも逃げないサービス精神あふれたアゲハでした。

小椋桂の「想い出してください」という曲があります。想い出してくださいあの頃を あきらめることをしらないで 野原に蝶々 追いかけて 迷った帰り道」・・・・という歌詞で最後が「いつの間にか白い網だいて 夢見るアゲハチョウ」。初めてこの曲を聴いたときは小学生の時の自分がモデルではないかと思ったものです。

昆虫採集を始めた頃は大きなアゲハは憧れでした。ところが飛翔が速くてなかなか捕まえることができない。ヤブカラシの花に来るのだが、蜜を吸う時もなかなか静止しない。空振りの連続。まぐれあたりである日の夕方偶然キャッチ。万歳を叫びました。

このことを夏休みの宿題の作文に書きました。これが浦和市の文集に載ることになって(当時は浦和市に在住)細部を修正することになり、先生の添削を受けました。「アゲハめがけて網をふる」となっている所を先生は「網をかぶせる」に治せという。私はアゲハの捕獲は「かぶせる」なんて悠長なものではない、しかも背より高い所にいるので、修正せず「振る」のまま出す。2度目の添削を受けて向こうはまた「かぶせる」にしろという。先生は中年女性で、勿論昆虫採集など経験がなく、網はかぶせるものとしか思っていない。説明してもわからないだろうと思って最後は「かぶせる」に妥協した記憶があります。これも「思い出してくださいあの頃を」の一つですが、今考えるとこれがその後の優柔不断人生の象徴のような気がします。

 

 2007/7/29 馬場一秋