産卵直前のルリタテハ

 

4月中旬、ルリタテハを見つけました。これは今年発生したものではなく、昨年秋に発生して越冬した個体です。羽がギザギザのようですが、ルリタテハや前回紹介したキタテハなどは元々こういうギザギザの羽をしています。色はさすがにあせていますが、冬を乗り切ったわりにはきれいです。

これはメスです。大きく膨らんだ腹部(丸で囲んだ部分)を見れば一目瞭然。彼女はこれからどこかで産卵する直前です。産卵前の鋭気を養っているのか、あるいは日向ぼっこをしているのかカメラを近づけてもじっと動きませんでした。

彼女が産卵した卵は、6月ころに成虫になります。当然夏型です。幼虫はオニユリ,カノコユリ、 サルトリイバラ,シオデ,ヤマガシュウ,ヤマジノホトトギスなどのユリ科の植物を食草としています。三貫清水の森では何を食べているのでしょうか。

ルリタテハの飛翔する姿は、実に颯爽としています。ジェット機のようで、よく見ていないと気がつかないほど。南池の近くにいることが多いようです。まだ見ていない方、今年の夏は南池付近に注目してみてください。彼女の子供たちに出会えるかもしれません。

 

 2007/5/4 馬場一秋