ゴマダラチョウも健在だゾー

 

ゴマダラチョウが柳の木で吸蜜中です。2匹並んでいますが、飲み仲間かあるいは恋人同士か、それとも他人か。後ろの方が茶色っぽいですね。実は至近距離で確認できたのは数年ぶりです。高いところを飛んでいて、多分ゴマダラチョウだろうなと思ったことはありましたが、この柳の木が樹液をかなり出していることに気づかず、チェックが不十分でした。ゴマダラチョウは以前からこの柳には結構来ていたと思われます。

このチョウの幼虫時代は我国の国蝶であるオオムラサキとそっくりです。まず食草が同じエノキであること、そしてナメクジ型で角のある姿がそっくりなのです。唯一の違いが背中の突起で、オオムラサキが4対なのに対してゴマダラチョウは3対です。しゃかりきになって昆虫採集をしていた小中学生時代、オオムラサキ欲しさに冬の林でエノキの下の落ち葉をひっくり返しました。オオムラサキの幼虫は冬場は落ち葉の裏でじっと寒さをしのぐのです。ところがゴマダラチョウも全く同じ行動をします。百枚近く落ち葉をひっくり返し、やっと見つけたと思ってもそれはゴマダラチョウの幼虫であることがほとんど。この時代のゴマダラチョウはごくありふれたチョウ。しかし捨ててしまうとまた間違えるので、そのまま持って帰り、結局成虫まで育ててしまった。幼虫の時はオオムラサキそっくりなのに、成虫になると何故そんなに違うのと思いながらも蛹から出てきた瞬間はやはり感動的。ゴマダラチョウとの再会では、そんな少年時代のシーンを思い出させてくれました。

このチョウは春型もあってよく似ていますが、よく見ると春型の方がやや大きく(春型の方が大きいのは珍しい)白い部分が多く、私は好きでした。木の葉の裏で幼虫で越冬したのが、春型になるのです。

2006/8/11 馬場一秋